公開日:2025.02.17
更新日:2025.02.17
XMでは同じ口座内での両建てが認められています。両建てというのは、同じ通貨ペアで「買い」と「売り」の取引を同時に持つことです。
例えば、ドル円の買いと売りを同時に持つことで、一時的な損失が大きくなるのを防いだり、つなぎ売買をしたりして、リスクを減らす方法として使えます。
年末年始に利益が出ている状態で両建てをすると、利益を確定せずに翌年まで持ち越せるというメリットもあります。
ここでは、XMで認められている両建ての良い点と悪い点、使い方などを詳しく説明します。
この記事の見出し
XMの両建て取引と禁止されている行為
XMを含む多くの海外FX会社では、両建て取引に対して禁止している行為があります。これは、海外FXならではのボーナスやゼロカットシステムを悪用されないようにするためです。
ここでは、XMで禁止されていない両建てと、利益が取り消されたり口座が凍結されたりする可能性がある両建てについて説明します。
XMは同じ口座内での両建て取引だけが可能
XMでは、同じ口座の中でのみ両建てができます。両建てとは、同じ通貨ペアで「買いの取引」と「売りの取引」を同時に持つことです。
反対の取引を同時に持つことで、利益と損失が相殺され、損失が限られます。そのため、リスクを減らす方法としても使えます。
また、損失が出ている状態でも、相場が動く方向に新しい取引を持つことで、損失以上の利益を得て損失を解消することもできます。
ただし、両建ては取引コストが2倍になるなどのデメリットもあるので、慎重に使う必要があります。
XMでは複数の口座を使った両建ては禁止
XMでは、基本的に同じ口座以外での両建てが認められていません。そのため、規約を知らずに複数の口座や別の会社との間で両建てをすると、口座が使えなくなったり、得た利益が取り消されたりするペナルティを受ける可能性があるので気をつけましょう。
海外FXをよく知らない初心者の方は、気づかないうちに禁止されている取引をしてしまうかもしれません。突然取引ができなくなったり、利益が取り消されたり、口座が使えなくなったりするトラブルを避けるためにも、この記事を参考にして規約に反する行為をしないように注意しましょう。
他の海外FX会社を使った両建てもペナルティの対象
XMでの両建てについて、XMの口座と他の海外FX会社の口座を使った両建ても禁止されています。
この禁止事項は、国内外を問わず全ての他の会社との両建て取引が対象となります。同じ通貨ペアで他の会社との不自然な両建てなどが見つかった場合、XMによって規約違反と判断される可能性があります。
もし両建てでペナルティの対象になってしまうと、突然口座が使えなくなることがあります。他の会社も同時に使って取引をしている方は、持っている取引が意図せず両建てにならないように注意が必要です。
複数の人が協力した両建てはアービトラージと判断される
XMでは、複数人が協力して両建てを行うことも禁止されています。
例えば、Aさんが個人の口座で「買い」を持ち、Bさんが別の口座で「売り」を同時に持つと、複数の口座をまたがる両建て行為とみなされます。これはボーナス制度や損失保護システムを悪用した取引と判断され、同じ通貨ペアで同じ量の反対取引が見つかった場合、利益が没収されたり口座が凍結されたりする可能性があります。
同じ通貨のリスク回避目的の両建てもペナルティ対象に
XMでは、特定の通貨のリスクを減らす目的での両建ても禁止されています。具体的には、ユーロドルの「売り」を持ちながらユーロ円の「買い」を同時に保有するようなケースが該当します。
このような取引は「ユーロの価格が急落した時のリスク回避」と判断され、規約違反になる可能性があるため注意が必要です。
XMで両建てを行うメリット
XMで両建てをする主なメリットは、特定の通貨を両建てした時に必要証拠金が0円になることです。
両建てをすると損失を抑えつつ利益を最大化できるうえ、長期と短期の取引を同時に進められる点もメリットです。損失が大きくなった場合、ナンピン手法で損失を平均化できるほか、両建てでXMポイントを2倍貯められるという特典もあります。
両建て取引では必要証拠金が「0円」に
XMでは、海外FXの通貨ペア・金・銀において、同じ口座内で同じ量の両建てをすると、必要証拠金が完全に相殺されて0円になります。
他の海外FX会社では両建てに両方の証拠金が必要な場合もありますが、XMでは口座残高が少なくても両建てが可能です。相場が急激に動いて予期せぬ損失が出た時も、両建てすることで損失を最小限に抑えられるのが特徴です。
損失を抱えずに冷静に相場を見渡せる
XMの同じ口座内で両建てをすると、利益が出ている取引を決済せずに、落ち着いて相場を分析できます。現在の利益をいつ確定させるか迷っている時など、反対の取引を入れることで損失を避けつつ証拠金を守れます。
また、持っている取引が狙いと逆に動いても、両建てしているので利益が出るため、反転しそうなタイミングを見計らって利益を確定するなど、多様な戦略を取れるようになります。
長期・短期取引を同時に行える
海外FXの相場には、価格変動が少ないレンジ帯と、一方向に価格が動くトレンド帯の2種類があります。両建てを使うと、相場の状況に応じて長期の取引を持ちながら短期の取引もできるなど、取引時間の異なる手法を組み合わせられます。
ここのポイント
例えば、相場が上昇トレンドに入ったと判断したら、スイングトレードで長期的な買いを持ちつつ、スキャルピングやデイトレードで短期的な売りを入れるなど、異なる手法を組み合わせてより多くの利益を狙えます。ただし、2つ以上の口座を使っている場合は意図せず両建てになる可能性が高いので、十分に注意してください。
両建てナンピン手法で損益を平均化できる
XMの同じ口座内で両建てをすると、損失が出た時にナンピン手法を使って損益を平均化できます。ナンピンとは、予想と反対に相場が動いた時に、平均の売買コストが有利になるように追加で取引することです。
これにより、ポジションの平均取得単価が有利になり、損失が利益に変わるまでの値幅が小さくなります。そのため、レートが利益方向に動けば素早く損失を解消できます。
ただし、相場が損失方向に動くと損失が大きくなる可能性もあるので、相場の状況をよく見極めてから行うようにしましょう。
XMポイント(XMP)を往復分獲得できる
XMでは同じ口座内で両建てをすることで、取引ボーナスや現金に交換できるXMP(XMポイント)を貯められます。XMのスタンダード口座とマイクロ口座を使うと、両建て取引で往復分のXMポイントを獲得できます。
ただし、XMポイントを得ることだけを目的とした悪質な両建て取引は規約違反になるので注意が必要です。
XMの両建て取引で起こるデメリット
XMで行う両建て取引には、取引する通貨ペアによって、いくつかの不利な点があります。これには、スプレッドによる取引コストの増加、マイナススワップポイントによる証拠金の減少、そして市場の急激な変動による強制的なロスカットなどが含まれます。
取引回数が増えるほど取引コストの負担が大きくなる
XMに限らず、同じ口座内での両建ては、スプレッドによる取引コストが増加するという問題があります。両建ては、取引を始める時にスプレッドが直接的な取引コストとして発生します。例えば、スプレッドが1pipsのドル円1ロットを両建てすると、その瞬間に1,000円のコストが生じます。そのため、両建てコストを許容できる範囲内に抑えるか、利益確定のタイミングを調整してコストを相殺する必要があります。
ここのポイント
スプレッドの幅が広い通貨ペアでは、両建てから利益が出るまでの時間が長くなる傾向があります。スプレッドがたった数pipsとはいえ、損失につながる可能性がある状況で、すべての両建て取引のコストをうまく相殺するのは難しいでしょう。その結果、両建てを増やすほど取引コストに対する負担が増加する傾向にあります。
長期間の両建てはスワップの積み重ねで証拠金が減る
XMで長期間の両建てを行うと、スワップポイントが証拠金を減らし、ロスカットのリスクが高まる可能性があります。XMでは、すべての取引ペアでマイナススワップがプラススワップを上回るため、両建て取引をするとスワップポイントは必ずマイナスになります。
そのため、両建てで長期的に取引を持ち続けると、マイナススワップで証拠金が減り、最終的にはロスカットにつながる可能性が高くなります。特に、マイナー通貨やエキゾチック通貨の取引では、マイナススワップが高く設定されていることが多いので十分な注意が必要です。
スプレッドが広がり強制ロスカットになることも
XMでの両建て時は、市場の影響でスプレッドが広がった場合や、マイナススワップで証拠金が足りなくなった場合などで強制ロスカットになる可能性があります。特に早朝はスプレッドが大きく広がるため、あらかじめ余裕を持った証拠金で両建てを行う必要があります。両建てとはいえ、証拠金維持率が極端に低い状態での両建ては危険だということを覚えておきましょう。
同じタイミングで決済しないと損失が大きくなる場合も
XMの同じ口座内での両建て取引では、同じタイミングで両方の決済をすることが大切です。レートは常に変動しているため、成行決済などを使うと片方を決済した瞬間にレートが変わり、損失が大きくなる可能性があります。
両建てポジションを解除する場合は一括決済機能を使うなどして、同時に決済することを心がけましょう。
XMの両建て取引方法
両建て取引では、できるだけ同じレートで約定させることが重要です。XMの同じ口座内での両建て取引では、ポジションの一括決済ができます。XMのアプリでも「一括決済」機能を使って、選んだ銘柄の全ポジションを決済できます。
両建て取引のやり方と注文方法
XMの同じ口座内での両建て取引は、PCでもスマホでも、「成行買い」か「成行売り」のどちらかで取引を始め、反対のポジションを取ることで成立します。
手順は以下のとおりです。
- 両建てしたい通貨ペアのチャート画面を開く
- 発注ボタンから「成行買い」「成行売り」どちらかで取引を始める
- 反対のポジションを取る
まず、PCやスマホアプリで取引したい銘柄をタップし、チャート画面を開きます。
次に発注ボタンから「成行買い」か「成行売り」のどちらかで取引を始めます。
例えば、ドル円を買いポジションで10ロット(100万通貨)両建てしたい場合は、「成行買い」で10ロットを取引します。
そのまま反対売買をする形で、「成行売り」で10ロットを取引すれば、両建ては完了です。
ただし、両建ては取引コストが増えたり、長期間行うとスワップポイントで証拠金が減る可能性があるので注意が必要です。
両建て取引の解除方法
XMの両建て取引では、MT4 / MT5やXM独自のアプリでも一括決済ができます。また、XM専用のPC版MT4 / MT5には、独自の「両建て解除」機能があるので、これを使うのが最も確実に両建てを解除できます。
PC版の両建て解除方法は以下の手順で行えます。
1. 両建て取引中ポジションの注文を変更する
XM専用のPC版MT4/MT5ターミナルで、両建て取引中の通貨ペアを右クリックし「注文変更または取消」を選びます。
2. 「両建て解除」を選択する
「注文種別」をクリックして「両建て解除:通貨ペアを指定」を選びます。
3. 「複数決済」を選択する
「複数決済」と表示された黄色いボタンが出てくるので、決済する通貨ペアが正しければ、クリックして両建て解除が完了です。
注意:両建ての解除時は、レートの変動によって予期せぬ損失が出る可能性があります。市場の状況を十分に確認してから解除するようにしましょう。
XMでの両建て取引を行う際のリスクヘッジ方法
XMの同じ口座内での両建て取引では、相場が急に変わった時のリスクヘッジや税金対策として活用できます。買いと売りの両方で利益を出せるつなぎ売買や、利益を翌年に持ち越すことで税金対策を取ることができます。また、EA(自動売買システム)を使ってリスクヘッジを行うこともできます。
リスクヘッジのためのつなぎ売買
XMの同じ口座内での両建て取引では、長期と短期の取引を組み合わせる場合、長期的には買い取引、短期的には売り取引という「つなぎ売買」が最適です。
価格が上下に変動する相場では、長期的に価格が上がる場合でも、短期的には段階的に下がることがあります。
逆に下がる相場では長期的に価格が下落し、戻り売りのタイミングが発生するため、つなぎ売買がうまくいけば、買いポジションと売りポジションの両方で利益を狙うこともできます。
ただし、つなぎ売買にはスキルと経験が必要で、リスクも伴うため、十分な練習と慎重な判断が必要です。
税金対策としてのリスクヘッジ
XMの同じ口座内での両建て取引では、年末から年始にかけてポジションを持ち越すと、税金を翌年に繰り延べできます。日本の法律では海外FXの課税対象はポジションを決済したタイミングなので、決済を翌年にずらすことで課税時期を調整できます。
この方法を使えば、一時的に利益を翌年に持ち越すことで税金対策が可能になり、1つのリスク管理手段として有効です。
リスクヘッジのためのEA(自動売買)の利用
XMの同じ口座内で両建てをしたまま、損失を平均化する方法やつなぎ売買を行う自動システム(EA)を活用すれば、損失を抑えつつ利益を伸ばせます。
ただし、相場が急変動した際の過剰な取引やレバレッジ変更による強制決済が発生するリスクがあるため、十分な注意が必要です。自動売買を使う場合は、常に相場の動向を監視するようにしましょう。
XMでの両建て取引のトラブルと対処法
XMの同じ口座内での両建て取引では、口座が凍結されるなど、気づかないうちに禁止行為に該当してペナルティが発生する場合があります。ここでは、そのようなトラブルが起きた時のペナルティの種類と解除方法を説明します。
禁止行為によるペナルティ
XMの同じ口座内での両建て取引で、以下の行為は明確に禁止されています。
- 複数のXM口座を使った両建て
- 他の海外FX会社との両建て
- 複数人での協調的な両建て
- 特定通貨のリスク回避目的の両建て
これらの行為を行った場合、意図的かどうかに関わらずペナルティ対象となります。XM側は利用者の状況を判断できないため、「取引停止」→「口座凍結」→「出金拒否」→「利益取消」という段階的な処置が取られます。
たとえ間違った操作であっても、規約違反と判断された措置が覆る可能性は低いですが、XMのサポートへ異議申し立てを行い、口座の復旧を目指すことが重要です。
ペナルティの解除方法
XMの同じ口座内での両建て取引で口座凍結や利益取消のペナルティを受けた場合は、XMサポートデスクに連絡してください。
- メールサポート時間:平日24時間/土日16:00~24:00(日本語対応)
- 連絡先:support@xmtrading.com(※全角@を半角@に変更)
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XMの両建て取引で利益を出すための注意点
XMでは同じ口座内での両建ては基本的に可能ですが、規約違反となる行為は絶対に避けてください。
多くの海外FX会社が両建てを禁止する理由は、ボーナス制度を両建てと組み合わせると確実な利益を得られてしまうためです。XMは高額ボーナスが特徴ですが、悪用すると永久凍結リスクがあります。
禁止行為を回避し、ルールを守った賢い両建て取引で利益を追求することが重要です。