XMの無料VPSって、実際どう?VPSサービスを比較してみた

海外FXで自動売買を行うなら、24時間動き続ける仮想専用サーバー(VPS)があると便利です。普通、VPSを使うには毎月お金がかかりますが、XMTrading(エックス エム)では、ある条件を満たすと、Beeks社のVPSを無料で使えます

タダで使えるのは魅力的ですが、「本当に使えるVPSなのかな?」と気になる人もいるでしょう。

この記事では、XMの無料VPSについて、使うための条件やどれくらい性能が良いのか、申し込みから使い始めるまでの流れなどを詳しく説明します。また、無料VPSの性能に物足りなさを感じた場合に、別のVPSサービスを選ぶ方法も紹介します。

知りたい情報 TOP3(ここを読めば解る)

  • XMの無料VPSを利用する条件が知りたい
  • XMのVPSの性能が知りたい
  • VPSの申し込み・利用方法が知りたい

VPSは海外FXの自動売買に欠かせない!

私は主に自分で判断してトレードしていますが、MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)の魅力は自動でトレードできることです。最近は自動売買に興味が出てきて、難しいですが自動売買システム(EA)のプログラミングも勉強中です。

24時間動き続けるVPSは自動売買には必須のツールです。でも、VPSを使うには毎月お金がかかるというマイナス面があります。そこで、XMが無料で提供しているVPSサービスが気になったので、調べてみることにしました。

VPSって、そもそも何?

VPSとは、バーチャルプライベートサーバー(Virtual Private Server)の略です。VPS会社からサーバーを借りて、自宅のパソコンなどから遠隔で使います。

自動売買の良いところは、相場が動いている間ずっとチャンスを見逃さないことですが、自動売買システム(EA)を動かし続けるにはMT4/MT5を起動し続ける必要があります。

これを自宅のパソコンだけでやるのは難しいです。VPSなら、安心してMT4/MT5を動かし続けられます。常に電源が入っているパソコンみたいなものですね。これが、自動売買でVPSが必要な一番大きな理由です。

さらに、海外FX会社のサーバーの近くのVPSを借りれば、距離が近くなるので通信が速くなり、取引の速度を上げられます

VPS選びではサーバーの場所が大切

VPSを選ぶときに大事なのは、VPSサーバーがどこにあるかです。これは取引の速さに関係するからです。海外FX会社の取引サーバーは、多くの場合、日本以外の国にあります。

世界のお金の中心地であるニューヨークやロンドンにあることが多いですが、アジアのお客さんのために使いやすくしようとしている会社なら、アジアにも取引サーバーを置いていることがあります。

XMTrading(エックス エム)の取引サーバーは、ロンドンにあります。だから、VPSを選ぶときは、ロンドンにあるVPSを選ぶとVPSの力を最大限に活かせます

ここがポイント!VPSを利用するメリット
・MT4/MT5を24時間動かせる
・通信が速くなる
・取引の速さが上がる
・Mac PCでもMT4/MT5を制限なく使える

ちなみに、あまり知られていませんが、VPSは自動売買システムを使う人だけでなく、Macユーザーにもおすすめです。自分のパソコンのメモリやハードディスクに負担をかけずに、MT4/MT5の全ての機能が使えるというメリットがあります

XMは無料VPSを使える

XMTrading(エックス エム)には、口座残高と取引量の条件を満たすとVPSを無料で借りられる特典があります。条件を満たせなくても、XM経由で有料(月額28ドル)で同じVPSを契約できます。

評判の高いBeeksのVPSが無料に

XMで無料で使えるVPSは、Beeks社が提供するものです。

Beeks社は、海外FXの自動売買に特化したVPSサービスを提供する会社で、自動売買システム(EA)利用者からも評判が良いです。公式サイトでは、50の海外FX会社と提携した「世界最大の自動取引用VPS会社」だとアピールしています。

XMの取引サーバーはイギリスのロンドンにあるので、日本からの距離は約1万キロメートルです。当然、自宅のパソコンからトレードすると、どうしても通信が遅くなってしまいます。

一方、XMが提供するBeeks社のVPSは、XM取引サーバーと同じロンドン市内にVPSサーバーがあるので、距離も短く通信が速くなります

良いVPSの条件とは?
良いVPSの条件は、まずサーバーに障害が起きないことです。サーバーに障害が起きてEAの動作が止まると、本来なら利益確定できたはずのトレードができず、価格が逆に動いて損失になることがあります。VPS会社の中には、「サーバー稼働率(一定期間のうちサーバーが正常に動いた時間の割合)」を公表している会社もあるので、参考にできます。

無料VPSが使える条件

XMでは、以下の条件を満たせば、無料でVPSを契約できます

XM 無料VPS利用条件
月に5ロット(50万通貨)以上の取引
口座残高が5,000ドル(約50万円)以上

毎月1日に、どちらか一方でも条件を満たさないと、口座残高から自動的に28ドル(約3,000円)ずつ引かれます

口座残高が0になって引き落としができなくなると、自動的にVPS契約が解除・削除されてしまい、すべてのデータが消えてしまいます。無料VPSを利用するため、余裕を持って常に60万円以上口座残高がある状態を保つと良いでしょう

XMが提供するVPSを検証してみた

XMが提供する無料VPSが本当に使えるのか、性能面と通信速度の両方から調べてみました

VPSの性能はやや低め

VPSの性能は、パソコンの性能と同じようにCPU・メモリ・ストレージの数値で判断できます。Beeks社のVPSの性能は以下の通りです。

項目内容
OSWindows 2012 R2
CPU1コア
メモリ1.3GB
HDD25GB

VPSの性能は、同時に動かせるMT4の数や開けるチャートの数に直結します。1つのMT4で多くのチャートを開きすぎると自動売買システム(EA)の動作が遅くなるため、複数のMT4をインストールして分散させる必要がありますが、VPSの性能次第で同時稼働可能な数が変わります

XMのVPSはBeeks社の最も安いプラン(ブロンズ)ですが、推奨される使い方は次の通りです:

  • 最大9枚のチャート
  • MT4を3つまで同時起動

性能的には「無料だから仕方ない」と感じる最低限のレベルです。ただし、「VPSを試してみたい」という初心者にとっては、無料で使える点が大きなメリットでしょう。

本格的に自動売買をしたい場合は、有料のVPSに切り替えることをおすすめします

XMとの通信は早い

VPSサーバーと海外FX会社のサーバー間の通信が速いほど、取引の速度が上がり、注文の精度が向上します

この通信の速さは主にサーバー同士の距離に関係するため、同じロンドンにあるBeeks社のサーバーを使うと通信が速くなります

日本のパソコンからXMのサーバーに接続した場合と、Beeks社のVPSから接続した場合で速度を比較しました。

通信の速さは、MT4/MT5の右下の「接続状況」をクリックすると表示される「応答速度(Ping値)」で比較できます。Ping値とは、簡単に言うと、自宅パソコンやVPSからXMのサーバーとの通信の往復にかかる時間で、単位の「ms(ミリセカンド)」は、1/1000秒を表します。

接続元Ping値
日本のパソコンから233.56ms
ロンドンのVPSから6.57ms

応答速度に約200msの差があることが分かります。秒で考えると約1/5秒です。わずかな差と言えばそうですが、なるべく価格のズレなしで約定できるようPing値は小さい方が望ましいです

ところで、MT4/MT5の自動売買では、EAが注文・約定をする瞬間、急にCPU使用率やメモリ消費量が上がります。そのため、VPSを利用するときは、余裕を持たせるのがベストです。XMの無料VPSを利用するなら、推奨の「9チャート、MT4を3つまで」に抑えるようにしましょう。

Beeksはサポートのみ日本語対応

XM公式サイトには「VPSサービス申請後のサポートは、VPS提供会社であるBeeksFXより直接英語にて提供されます」と書かれています。つまり、VPSのIPアドレスやパスワードを知らせるメール、メンテナンス予定の連絡メールなど、Beeks社からの連絡は基本的に英語です。

ただし、Beeks社には日本語サポート窓口があります。VPSに問題が起きた時などの個別の問い合わせは日本語でできます。

基本的に英語というのは、少し難しく感じるかもしれませんが、トラブルの時に日本語で対応してもらえるのは安心ですね

Beeks社のサポート体制

項目内容
URLhttps://www.support.beeksfinancialcloud.jp/
ライブチャットサービス平日AM9:00~PM10:00
メールサポート
【24時間受付】
日本人スタッフ対応(平日AM10:00~PM10:00)
support-ty3@beeksfx.com
グローバルスタッフ対応(日本語サポート営業時間外)
support@beeksfx.com
緊急サポート
(即時申請サポート)
VPSにログインができないなどの緊急時に受けられるサポートです。
「再起動」「パスワードリセット」ができます。

XMのVPSを使ってみよう【申込から接続まで】

ここでは、XMTrading(エックス エム)の公式サイトからVPSを申し込む手順を紹介します。また、VPSが初めての方向けに、Beeks社のVPSに接続する方法も図解します。

XM公式サイトからVPSを申し込む手順

  1. XMの公式サイトへアクセスする

まず、XMの会員ページにアクセスして、MT4/MT5のIDとパスワードを入力してログインしましょう。

  1. VPS申し込みページへ移動する

画面上部のメニュー一覧より、①「口座」をクリックし、②「VPS」をクリックします。

  1. VPSをリクエストする

申請ページが表示されたら、利用条件の詳細を確認し、「VPSをリクエストする」をクリックします。VPSが有料になるか無料になるかはこのページで確認できます

  1. VPSサービスをリクエストする

口座残高が28ドル(相当額)未満の場合、「入金」ボタンのみ表示されるので、先に入金手続きを行い、その後、リクエストを行います

  1. VPSリクエストを確定させる

VPSリクエストの確定画面が表示されますので、「確定」をクリックします。

  1. VPSリクエスト完了

「XM MT4 VPS – リクエストを受領いたしました」という画面が表示されたら、リクエストは完了です。この後はBeeks社から直接連絡が来ます。

VPSにアクセスする方法

ここからは、Beeks社から契約したVPSの情報を受け取った後の手順を解説します。

  1. Beeksからメール受信

Beeks社でVPSの設定が完了すると、「Welcome to Beeks Financial Cloud」という件名のメールがXMの登録メールアドレス宛に送信されます。VPSに接続するには「Username(ユーザー名)」「Initial Password(初期パスワード)」が必要ですので、メモしておきましょう

  1. RDPファイルをダウンロードする

VPSにアクセスするには、PCの「リモートデスクトップ接続」という機能を利用します。PCがWindowsの場合、Beeks社が送付してくれるRDPファイルで簡単にアクセスできます。RDPファイルとは、VPSに簡単にアクセスできるようにあらかじめVPSの情報を入れたファイルです。

Macの場合、「Microsoft Remote Desktop」をApp Storeでインストールすることが必要です

Beeksからのメール内の「Download RDP File(RDPファイルをダウンロード)」をクリックすると、RDPファイルがダウンロードされます。

  1. VPSにアクセスする

RDPファイルを開くと、「このリモート接続の発行元を識別できません。接続しますか?」というメッセージが表示されますので、「接続」をクリックします。


VPSへのアクセス画面が表示されますので、Beeks社からのメールに記載されていたユーザー名と初期パスワードを入力してください。BeeksのRDPファイルを利用した場合、通常ユーザー名はあらかじめ入力されていますので、実際にはパスワードのみ入力すればOKです。


初回接続の際には、Beeksから通知された「初期パスワード」を自分で設定したパスワードに変更するよう求められますので、「初期パスワード」と同じ程度に複雑なパスワードを設定してください。文字数などの明確な基準は表示されませんが、簡単なパスワードにしてしまうとパスワード登録が行えません。

  1. VPS接続完了

パスワード変更が完了すると、VPSの画面が表示されます。OSはWindowsですが、サーバー用のOSなので、家庭用のPCとは見た目が異なりますね。しかし、操作はほぼ同じなので、自宅PCのWindowsと同じような感覚で利用できます。ここに、MT4/MT5をインストールして利用します。


VPSのトップ画面にXMのMT4のインストーラー(xmglobal4setup)があらかじめインストールされていますが、こちらは日本向けにサービスを提供しているXMTrading社とは異なるグループ会社用のインストーラーです。XMTradingのMT4/MT5のインストーラーは下記リンク先からご希望のものをダウンロードしてください。

XM 取引プラットフォームページ

VPSに接続できる専用アプリ

「外出しているときにどうしてもEAの稼働をストップさせたい!」

こんな時は、あらかじめVPSに接続できるアプリをスマホやタブレットにダウンロードしておくと便利です。MT4/MT5のアプリ版もあるのですが、機能が制限されており、自動売買トレードに関する設定などはできません。もちろん、裁量トレードをする分にはいいアプリなのですが・・・。

通常はあまり使う機会がないかもしれませんが、いざというときに役立ちそうです。

XMのVPSサービスを選ぶ3つのポイント

ここまでXMTrading(エックス エム)が提供している無料VPSについて解説してきましたが、無料で契約できるVPSの性能はかなり低めです。

本格的に自動売買を始めたい場合、有料で性能の高いVPSを契約したいという方も出てくるでしょう。

VPSを選ぶ際は、大きく分けて国内VPSサービスか海外VPSサービスのどちらにするかを決め、そこから業者を選ぶ流れになります。

VPS業者を選ぶときの重要なポイントは次の3点です。

  • サーバーの場所(ロケーション)
  • サポート体制
  • 維持費用

これらの点から、国内VPSと海外VPSを比較してみましょう。

比較項目国内VPS海外VPS
日本語サポート日本語対応が充実日本語サポートの有無要確認
サーバーの場所海外サーバー設置業者少ない世界中にサーバー設置可能
維持費用割高格安プランあり
選ぶポイント海外サーバーの有無日本語サポートの有無

国内VPSのメリットは日本語サポートの充実ですが、ロンドンにサーバーを置く業者はほぼありません

海外VPSのメリットはロンドンにサーバーを設置できることですが、日本語サポートがある業者は限られます。

理想的なVPS業者の条件は次の通りです。

  • VPSサーバーがロンドンにある
  • 日本語サポートがある

この条件を満たす業者はBeeks社ほぼ唯一です。どうしても条件を譲れない場合は、どちらかを優先して業者を選びましょう。
※補足ありタグ
通信速度の重要度は使う自動売買システムの種類によって変わります。

  • スキャルピング/ブレイクアウト系:速度重視
  • デイトレード/スイング系:やや余裕あり

コストとシステムの特性を総合的に判断してVPSを選びましょう

日本語サポートがあるBeeks社の上級プランがおすすめ

結論から言うと、私のおすすめは海外VPSサービスのBeeks社です。XMの無料VPSはBeeks社の中でも最もスペックの低い「ブロンズプラン」です。

シルバープランやゴールドプランを選べばもっと性能が高くなります

プラン月額料金利用目安
ブロンズ4,750円9チャートを表示し、MT4を3つまで同時稼働可能
シルバー8,550円18チャートを表示し、MT4を6つまで同時稼働可能
ゴールド15,200円27チャートを表示し、MT4を9つまで同時稼働可能

人気の海外VPSサービスには、Beeks社以外にもVultrという業者があります。どちらもサービスは良いのですが、決定的な違いはBeeks社には日本語サポートがあることです。海外FXトレード専門のVPS業者ですので、サポートスタッフはMT4/MT5に詳しいエキスパートです。

Beeks社のデメリットは、性能の割に月額コストが高いという点です。コストをとにかく抑えたい人はVultrの方がいいでしょう。

Vultrも有名な海外VPS業者で、日本人の自動売買ユーザーで利用している人は多いですが、日本語サポートはありません。公式ホームページも全て英語なので、初心者の人には難しいかもしれません。

XMの無料VPSサービスを試してみよう

ここまでXMTrading(エックス エム)の無料VPSやその他のVPSサービスを紹介してきました。XMでトレードをしていて条件を満たしている人であれば、ぜひ無料VPSサービスに申し込んでみてください。無料でVPSの使い心地を体験できます。

本格的に自動売買をしてみたい人は、有料ですが投資と考えて、自分に合ったVPS業者を選んでみましょう。XMのVPSでおすすめは、ロンドンサーバーが設置されているBeeks社です。Beeks社は、海外VPSサービスの代表的な会社で、大きなトラブルもなく安定したサービスを受けられ、日本語サポートもあり、初心者の方でも安心です。

XMの他にも、Traders Trust(トレーダーズ トラスト)が無料のVPSサービスを提供しています。当サイトでは、XMやTraders Trustを含め、最新の海外FX業者人気ランキングで主要海外FX業者7社のスプレッドやサービスの比較をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

XM VPSに関連したよくある質問(FAQ)

VPSとは何ですか?

VPS(仮想専用サーバー)とは、インターネット上でパソコンを稼働させるためのサーバーです。VPSに接続すれば、自分のパソコンの電源が切れていても、MetaTrader4/MetaTrader5を動かし続けることができます。

XMではVPSサービスは利用できますか?

はい、XMTrading(エックス エム)のVPSサービスは、リアル口座開設後に会員ページから申し込めます。Beeks社のVPSで、月額28ドル(相当額)です。申し込みには口座に28ドル(相当額)以上の残高が必要です。

XMではストップレベルは設定されていますか?

はい、XMTrading(エックス エム)では、各銘柄ごとにストップレベルが設定されています。ストップレベルとは、指値注文や逆指値注文などの待機注文をする際に、現在価格からどれくらいのpips(ピップス)を開ける必要があるかを表す値幅のことです。

XMではスキャルピングを認めていますか?

はい、認めています。XM Trading(エックス エム)では、スキャルピングに関して特に規制はありません。4つの口座タイプ(スタンダード・マイクロ・ゼロ・KIWAMI極)の中では、スプレッドの狭いゼロ口座・KIWAMI極口座が最もスキャルピングに適しています。

XMではEAは使えますか?

はい、利用できます。XMTrading(エックス エム)では、EA(エキスパートアドバイザー)の利用に制限はありません。ただし、MetaTrader4(MT4)とMetaTrader5(MT5)では互換性がないため、対応するEAを利用してください

XMではコピートレードを提供していますか?

いいえ、XMTrading(エックス エム)では、コピートレードは提供していません。ただし、取引ツールであるMetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)上で、MQL5コミュニティが提供するコピートレードの利用が可能です。

無料VPSサービスのある海外FX業者を教えてください。

XMTrading(エックス エム)とTraders Trust(トレーダーズ トラスト)は、無料VPSサービスを提供しています。各社が定める口座残高や取引量などの条件を満たすことで、無料で高性能なVPSサービスを利用できます。