公開日:2025.03.20
更新日:2025.03.20
2023年8月頃から、XMTradingのKIWAMI極口座のスプレッドが広がったという声がSNSで増えています。
2022年10月のリリース以来、優れた取引条件で人気だったKIWAMI極口座ですが、本当にスプレッドが悪化したのでしょうか?
この記事では、KIWAMI極口座のスプレッドの変化について詳しく調査し、その影響や対策について解説します。
この記事の見出し
KIWAMI極口座のスプレッド拡大の実態
KIWAMI極口座は、XMTradingが2022年10月にリリースした新しい口座タイプです。
この口座は、XMの弱点だったスプレッドの広さを改善し、業界トップクラスの狭いスプレッドを提供することで、多くのトレーダーから高い評価を得ていました。
しかし、2023年8月に入ってから、SNS上でKIWAMI極口座のスプレッドが広がったという報告が急増しました。
ユーザーからは以下のような声が上がっています。
XM極のスプレッドが倍近く広がっていないか
スプレッドが1.5〜2倍くらい広くなっている
ここまで広いスプレッドならキャッシュバック拡大且つポイント付かないと割に合わない
これらの声を受けて、実際に過去と現在のスプレッドを比較してみました。
以下の表は、KIWAMI極口座のリリース当初(2022年11月)と2023年8月のスプレッドを比較したものです。
通貨ペア | 2022年11月 | 2023年8月 |
---|---|---|
EURJPY | 1.2pips | 1.9pips |
EURUSD | 0.7pips | 1.2pips |
GBPUSD | 0.9pips | 1.0pips |
USDJPY | 0.8pips | 1.3pips |
NZDUSD | 1.2pips | 1.7pips |
AUDUSD | 0.9pips | 1.4pips |
この表から、KIWAMI極口座のスプレッドが明らかに拡大していることがわかります。
特にEURJPY、EURUSD、USDJPYなどの主要通貨ペアで顕著な拡大が見られます。
スプレッド拡大の影響
スプレッドの拡大は、海外FXトレーダーにとって重大な問題です。
スプレッドは取引コストの一部であり、その拡大は直接的に利益を減少させる要因となります。
特に以下のようなトレーダーにとっては、大きな影響があると考えられます。
スキャルピングトレーダー
短期的な価格変動を利用して頻繁に取引を行うスキャルピングトレーダーにとって、スプレッドの拡大は致命的です。
わずかな価格変動で利益を得ようとするため、スプレッドの拡大は利益機会を大きく減少させます。
自動売買システム(EA)ユーザー
多くのEAは、狭いスプレッドを前提に設計されています。
スプレッドが拡大すると、EAの性能が低下し、期待通りの結果が得られなくなる可能性があります。
デイトレーダー
日中の短期的な取引を行うデイトレーダーも、スプレッドの拡大により利益が減少する可能性があります。
一方で、長期投資家やスイングトレーダーなど、比較的長い期間ポジションを保有するトレーダーにとっては、スプレッドの拡大の影響は相対的に小さいかもしれません。
スプレッド拡大の原因
KIWAMI極口座のスプレッド拡大の原因として、以下の可能性が考えられます。
XMの経営方針変更
XMが手数料収入を増やすためにスプレッドを上乗せした可能性があります。
KIWAMI極口座はSTP方式を採用しており、トレーダーが取引する価格は市場のスプレッドにXMのマージンが上乗せされたものです。
XMが利益率を上げるために、このマージンを増加させた可能性があります。
市場全体の動向
夏枯れ相場による流動性低下の影響も考えられます。
夏場は一般的に取引量が減少し、スプレッドが広がりやすくなります。
しかし、他の業者と比較するとXM独自のスプレッド変化である可能性が高いです。
リスク管理の強化
市場の不確実性が高まっている場合、XMがリスク管理を強化するためにスプレッドを広げた可能性もあります。
システムの変更や技術的な問題
XMのシステムやプラットフォームの変更、あるいは技術的な問題によってスプレッドが広がった可能性も否定できません。
これらの原因を検証するために、他の海外FX業者のスプレッドの動向も確認してみました。
以下は、KIWAMI極口座と同等のスプレッドを提供していた他業者の2023年7月と8月のスプレッド比較です。
口座 | 通貨ペア | 7月のスプレッド | 8月のスプレッド |
---|---|---|---|
XMTrading KIWAMI極 | USDJPY | 0.9pips | 1.4pips |
EURUSD | 0.7pips | 1.2pips | |
GBPUSD | 0.6pips | 1.0pips | |
XAUUSD | 1.7pips | 2.0pips | |
Exness プロ | USDJPY | 0.7pips | 0.9pips |
EURUSD | 0.6pips | 0.6pips | |
GBPUSD | 0.6pips | 0.6pips | |
XAUUSD | 1.3pips | 1.3pips | |
FXGT プロ | USDJPY | 0.8pips | 0.8pips |
EURUSD | 0.7pips | 0.7pips | |
GBPUSD | 0.8pips | 0.8pips | |
XAUUSD | 2.3pips | 2.1pips | |
Titan FX ブレード | USDJPY | 1.3pips | 1.5pips |
EURUSD | 0.9pips | 0.9pips | |
GBPUSD | 1.1pips | 1.2pips | |
XAUUSD | 1.6pips | 1.6pips |
この比較から、他の業者のスプレッドにはあまり変動が見られない中、KIWAMI極口座のスプレッドだけが明確に拡大していることがわかります。
このことから、スプレッドの拡大は市場全体の影響というよりも、XM独自の変更である可能性が高いと言えます。
KIWAMI極口座のスプレッド改善の可能性
XMTradingのKIWAMI極口座のスプレッドが将来的に改善される可能性はあるでしょうか?
この点について、以下のような要因を考慮する必要があります。
XMの公式見解
XMのサポートセンターは、スプレッドの仕様は変更していないと回答しています。
この回答が事実であれば、短期的にはスプレッドが元の水準に戻る可能性は低いかもしれません。
競合他社との競争
海外FX業界は競争が激しく、顧客獲得のために各社が取引条件を改善する傾向があります。
XMも競争力を維持するために、将来的にスプレッドを再び狭める可能性はあります。
市場環境の変化
市場の流動性や不確実性が改善すれば、XMがリスク管理を緩和し、スプレッドを狭める可能性もあります。
ユーザーからのフィードバック
多くのユーザーがスプレッド拡大に不満を表明しているため、XMがこれらの声に応えてスプレッドを改善する可能性もあります。
しかし、現時点ではKIWAMI極口座のスプレッドが近い将来改善される明確な兆候はありません。
トレーダーは、現在のスプレッド水準が当面続くことを前提に、取引戦略を見直す必要があるかもしれません。
他の海外FX業者との比較
KIWAMI極口座のスプレッド拡大を受けて、多くのトレーダーが他の海外FX業者への乗り換えを検討しています。
現在、KIWAMI極口座よりも狭いスプレッドを提供している業者もあります。
以下は、主要な海外FX業者のスプレッド比較です。
海外FX業者 | EURUSD | GBPUSD | USDJPY | NZDUSD |
---|---|---|---|---|
XMTrading KIWAMI極 | 1.2pips | 1.0pips | 1.3pips | 1.7pips |
Exness プロ | 0.8pips | 1.1pips | 1.1pips | 1.0pips |
ThreeTrader Rawゼロ | 0.6pips | 1.0pips | 0.8pips | 0.7pips |
FXGT プロ | 0.9pips | 1.1pips | 1.0pips | 1.1pips |
この比較から、ThreeTrader、Exness、FXGTなどの業者がKIWAMI極口座よりも狭いスプレッドを提供していることがわかります。
これらの業者は、スプレッドを重視するトレーダーにとって魅力的な選択肢となる可能性があります。
各業者の特徴を詳しく見ていきましょう。
ThreeTrader(スリートレーダー)
ThreeTraderは2021年に設立された比較的新しい海外FX業者です。
以下のような特徴があります。
ThreeTraderの特徴
- 業界最安クラスの取引コスト
- ECN口座で透明性が高い
- 最大500倍のレバレッジ
- 日本人オペレーターが在籍
ThreeTraderは特に狭いスプレッドを強みとしており、スキャルピングなど短期売買を行うトレーダーに適しています。
ただし、ボーナスはほとんど提供されていないため、ボーナスを重視する場合は注意が必要です。
Exness(エクスネス)
Exnessは2009年に設立された歴史ある海外FX業者です。
以下のような特徴があります。
Exnessの特徴
- 最大約21億倍という驚異的に高いレバレッジが利用可能
- 一部の通貨ペアでスワップフリー取引が可能
- 世界一の取引量を誇る
- 業界トップクラスの素早い入出金処理
- 日本語対応のサポートが充実
Exnessの「PRO口座」は、海外FX業界でもトップレベルの狭いスプレッドで取引できます。
スプレッドの狭さだけでなく、非常に高いレバレッジや一部銘柄のスワップフリー取引など、総合的に見て優れた取引環境を提供しています。
Exnessでは、高レバレッジを活用した取引やスイングトレードなど、さまざまな取引スタイルに対応可能です。
ただし、注意点として、指標発表時にスプレッドが広がりやすい傾向があります。
特に重要な経済指標の発表が多い日本時間の夜間取引では、スプレッド拡大に注意が必要です。
FXGT(エフエックスジーティー)
FXGTは2019年に設立された比較的新しい海外FX業者です。
以下のような特徴があります。
FXGTの特徴
- 仮想通貨取引に特化したハイブリッド型ブローカー
- 最大1,000倍の高レバレッジを提供
- スワップフリーで取引できる銘柄が充実
- 豊富な取引銘柄
FXGTの「プロ口座」は、業界トップクラスの狭いスプレッドと豊富な仮想通貨銘柄が魅力です。
スプレッドに関してはThreeTraderにやや劣りますが、取引可能な銘柄の多さを考慮すると、総合的な取引環境は決して見劣りしません。
また、FXGTの特徴として、プロ口座とは別にボーナスが適用される口座タイプも用意されている点が挙げられます。
これにより、トレーダーは自分の取引スタイルや目的に応じて、異なる特徴を持つ口座タイプを効率的に使い分けることができます。
スプレッド重視のトレーダーが検討すべき選択肢
KIWAMI極口座のスプレッド拡大を受けて、スプレッドを重視するトレーダーは以下のような選択肢を検討することができます。
他の海外FX業者への乗り換え
上記で紹介したThreeTrader、Exness、FXGTなど、より狭いスプレッドを提供している業者への乗り換えを検討することができます。
ただし、スプレッド以外の条件(レバレッジ、取引可能な通貨ペア、入出金方法など)も総合的に比較検討することが重要です。
取引戦略の見直し
スプレッドの拡大に合わせて、取引戦略を見直すことも一つの選択肢です。
例えば、短期的なスキャルピングからやや長めのデイトレードにシフトするなど、スプレッドの影響を受けにくい戦略に変更することを検討できます。
複数の口座の使い分け
XMのKIWAMI極口座と他の業者の口座を併用することも考えられます。
例えば、スプレッドが狭い通貨ペアはKIWAMI極口座で、それ以外は他の業者の口座で取引するなど、柔軟に使い分けることができます。
XMの他の口座タイプへの変更
XMが提供する他の口座タイプ(スタンダード口座やゼロ口座など)への変更を検討することもできます。
ただし、これらの口座タイプはKIWAMI極口座と比べてスプレッドが広い可能性が高いため、慎重に検討する必要があります。
KIWAMI極口座のスプレッド改善を待つ
XMが将来的にKIWAMI極口座のスプレッドを改善する可能性もあるため、しばらく様子を見るという選択肢もあります。
ただし、改善の保証はないため、その間の取引戦略には注意が必要です。
海外FX業者選びの注意点
海外FX業者を選ぶ際は、スプレッド以外にも以下のような点に注意する必要があります。
信頼性と規制
業者の信頼性や規制状況を確認することが重要です。
ライセンスを持つ業者を選ぶことで、資金の安全性が高まります。
取引プラットフォーム
使いやすく、安定したプラットフォームを提供しているかどうかを確認しましょう。
MT4やMT5など、一般的なプラットフォームを提供している業者が多いですが、独自のプラットフォームを提供している業者もあります。
入出金方法
便利で手数料の低い入出金方法が用意されているかを確認しましょう。
特に、日本からの入出金に適した方法(銀行送金、クレジットカード、電子決済サービスなど)が用意されているかどうかが重要です。
カスタマーサポート
日本語対応のサポートが充実しているかを確認しましょう。
取引に関する疑問や問題が発生した際に、迅速かつ適切なサポートを受けられることが重要です。
取引条件
スプレッド以外にも、レバレッジ、最小取引単位、スワップポイントなどの取引条件を確認しましょう。
自分の取引スタイルに合った条件を提供している業者を選ぶことが大切です。
ボーナスやキャンペーン
多くの海外FX業者が入金ボーナスや取引ボーナスなどのキャンペーンを実施しています。
これらのボーナスを上手く活用することで、取引の幅を広げることができます。
ただし、ボーナスの出金条件や有効期限などをよく確認する必要があります。
評判とユーザーレビュー
他のトレーダーの評価や体験談を参考にすることも重要です。
ただし、ネット上の情報には偏りがある可能性もあるため、複数の情報源を確認し、総合的に判断することが大切です。
まとめ
XMTrading KIWAMI極口座のスプレッドは確かに拡大しており、多くのトレーダーが不満を感じています。
スプレッドを重視する場合は、他の業者への乗り換えを検討するのも一つの選択肢です。
ThreeTrader、Exness、FXGTなどの業者は、現在のKIWAMI極口座よりも狭いスプレッドを提供しており、検討の価値があります。
ただし、海外FX業者を選ぶ際は、スプレッド以外の要素も総合的に考慮することが重要です。
信頼性、取引プラットフォーム、入出金方法、カスタマーサポートなど、さまざまな要素を比較検討し、自分の取引スタイルに最適な業者を選ぶことが大切です。
海外FXは取引条件が頻繁に変更される可能性があるため、常に最新情報を確認することが重要です。
XMのKIWAMI極口座のスプレッドも、将来的に改善される可能性はあります。
定期的に各業者の取引条件を確認し、必要に応じて取引戦略や利用する業者を見直すことで、より効果的な海外FX取引を行うことができるでしょう。