スリートレーダー(ThreeTrader) 税金・確定申告完全ガイド【2025年8月最新】
スリートレーダー(ThreeTrader)で利益を上げた際の税金・確定申告について、海外FX初心者の方にも分かりやすく解説いたします。海外FXの税金は国内FXとは異なる複雑な仕組みがあるため、正しい知識を身につけて適切な税務処理を行うことが重要です。
この記事の見出し
スリートレーダー(ThreeTrader)の税金基本知識
スリートレーダー(ThreeTrader)をはじめとする海外FX業者で得た利益は、国内FX業者とは異なる税制が適用されます。まず基本的な税金の仕組みを理解しましょう。
海外FXの所得区分と課税方式
海外FXで得た利益は「雑所得」として総合課税の対象となります。これは国内FXの申告分離課税とは大きく異なる点です。
平成23年12月31日以前に行われた店頭取引の場合、差金決済による差益が生じた場合は一般的には、雑所得として総合課税の対象となりますので、課税総所得金額に応じた税率(超過累進税率)で課税されます。(国税庁「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」より引用 2025年7月30日アクセス)

引用元:国税庁
日本の税務行政を担う官庁として、税制に関する正確な情報と指針を提供している権威機関です。
雑所得の特徴と累進課税制度
雑所得は総合課税のため、給与所得などの他の所得と合算して税率が決定されます。
雑所得は事業所得や給与所得のような典型的な所得分類に入らない所得を包括する分類でありまして、種々の態様のものを含んでいるものの、全体としてみた場合必要経費がほとんどかからないか、かかっても収入を上回ることのないものが大部分であって。(法政大学「所得税法における雑所得の所得区分に関する問題点」より引用 2025年7月30日アクセス)

引用元:菊谷正人氏
法政大学の研究者として、所得税法における雑所得の問題点について学術的観点から詳細な分析を行っている税法研究の専門家です。
累進課税制度の税率
海外FXの利益は5%〜45%の累進課税率が適用され、所得が多いほど税率が高くなります。住民税10%と合わせると最大55%の税率となる点に注意が必要です。
確定申告が必要な条件と申告期限
スリートレーダー(ThreeTrader)で取引している方が確定申告を行う必要がある条件を詳しく解説します。
給与所得者の確定申告基準
会社員や公務員などの給与所得者の場合、以下の条件に該当すると確定申告が必要です。
- 年間利益20万円超:ThreeTraderでの年間利益が20万円を超えた場合
- 他の雑所得との合算:FX用語でいう「損益通算」により、他の雑所得と合計して20万円を超えた場合
- 損失でも住民税申告は必要:利益が20万円以下でも住民税の申告は必要
個人事業主・専業主婦の確定申告基準
個人事業主や専業主婦の方は、年間利益48万円(基礎控除額)を超えた場合に確定申告が必要となります。
個人所得課税において、所得税(国税)と個人住民税(地方税)がそれぞれ課税されることとなっているが、所得税は所得が発生した年に課税・納税が行われるいわゆる「現年度課税」であるのに対して、個人住民税は前年中の所得を基準として翌年度に課税する「翌年度課税」とされている。(総務省「令和6年度 個人住民税検討会報告書」より引用 2025年7月30日アクセス)

引用元:総務省
地方自治制度や税制を担当する中央官庁として、個人住民税に関する政策立案と制度運営を行っている権威機関です。
申告期限と納税期限
確定申告期限は毎年3月15日まで(土日の場合は翌平日)です。期限を過ぎると延滞税などのペナルティが課されるため、余裕をもって準備しましょう。
ThreeTraderでの利益計算と必要経費
正確な税金計算のためには、ThreeTraderでの取引における利益の計算方法と経費として認められる項目を理解する必要があります。
雑所得の計算式
雑所得 = 収入金額 – 必要経費
ThreeTraderでの収入金額には為替差益とスワップポイントの両方が含まれます。
ThreeTraderで認められる必要経費
海外FX取引で必要経費として計上できる主な項目:
- 取引手数料・スプレッド:直接的な取引コスト
- 入出金手数料:銀行振込手数料や海外送金手数料
- 通信費:取引に使用するインターネット回線費用(按分計算)
- 電気代:取引に使用するPC等の電気代(按分計算)
- 書籍・セミナー費用:FX関連の勉強費用
- 取引ツール・チャートソフト:有料ツールの利用料
経費計上の注意点
家事関連費(自宅の電気代や通信費など)は、FX取引に使用した部分のみ按分計算で経費計上できます。全額を経費にすることはできません。
損益通算と繰越控除の制限
海外FXの損失は他の所得との損益通算ができません。これは国内FXとの大きな違いです。また、損失の繰越控除も不可能です。
ThreeTraderの年間取引報告書取得方法
確定申告にはThreeTraderから年間取引報告書を取得する必要があります。
取引履歴レポートのダウンロード手順
- ThreeTrader会員ページにログイン
- 「レポート」または「履歴」メニューを選択
- 期間を指定:1月1日〜12月31日を設定
- レポート形式を選択:PDF形式またはExcel形式
- ダウンロード実行:取引履歴をダウンロード
年間取引報告書に記載すべき項目
確定申告で使用する年間取引報告書には以下の情報が必要です。
- 年間損益合計
- 取引回数
- 手数料・スプレッド合計
- スワップポイント合計
- 月別損益内訳
本研究では、アンケート調査を用いて FX個人投資家の投資パフォーマンスの決定要因を分析し、①行動バイアスと②投資戦略・取引行動のどちらがパフォーマンスに強く影響しているのかを検証する。(神戸大学「FX 証拠金取引で成功するためのカギ:投資戦略と行動バイアスの役割」より引用 2025年7月30日アクセス)

引用元:岩壷健太郎教授
神戸大学の教授として、FX証拠金取引における個人投資家の行動分析について実証的研究を行っている金融経済学の専門家です。
確定申告書の具体的な書き方
ThreeTraderでの利益を確定申告書に記載する具体的な方法を解説します。
確定申告書Bの記載方法
海外FXの利益は確定申告書Bの「雑所得」欄に記載します。
収入金額等の記載
- 雑所得「その他」:ThreeTraderでの年間利益を記載
- 所得金額:利益から必要経費を差し引いた金額
雑所得内訳書の作成
雑所得の金額が300万円を超える場合は雑所得内訳書の提出が必要です。
内訳書への記載項目
- 支払者の名称:Three Trader Pty Ltd
- 所在地:オーストラリア
- 収入金額:年間利益額
- 必要経費:経費の内訳
e-Taxでの申告方法
e-Taxを利用すると24時間いつでも申告が可能で、還付金の受取も早くなります。マイナンバーカードまたはID・パスワード方式で利用できます。
海外FXと国内FXの税金比較
ThreeTraderなどの海外FX業者と国内FX業者では税制が大きく異なります。
課税方式の違い
項目 | 海外FX(ThreeTrader) | 国内FX |
---|---|---|
所得区分 | 雑所得(総合課税) | 先物取引に係る雑所得等(申告分離課税) |
税率 | 15%〜55%(累進課税) | 20.315%(一律) |
損益通算 | 不可 | 可能 |
繰越控除 | 不可 | 3年間可能 |
税負担の分岐点
年間所得が330万円を超えると海外FXの方が税率が高くなります。
- 所得330万円以下:海外FXの方が有利(税率15%〜23%)
- 所得330万円超:国内FXの方が有利(税率20.315%固定)
金融税制に詳しい森信茂樹・中央大学法科大学院教授は、「資本に対する効率的な税制の構築は世界の流れであり、金融商品ごとに税の扱いが異なるのは望ましくない。だが、ほかの金融商品と同列に扱われるためには、業界の信認確立が不可欠。店頭FXが取引所並みの扱いを受けるには相当の努力が必要」と指摘する。(東洋経済オンライン「淘汰の季節迎えた外国為替証拠金取引」より引用 2025年7月30日アクセス)

引用元:森信茂樹教授
中央大学法科大学院教授として金融税制の研究に従事し、政府税制調査会の専門委員も務める日本の租税法・金融税制分野における権威的な研究者です。
効果的な節税対策
ThreeTraderでの取引における合法的な節税対策を紹介します。
必要経費の適切な計上
経費をもれなく計上することで課税所得を減らせます。
- 取引関連費用:手数料、スプレッド、スワップマイナス分
- 環境整備費:PC、モニター、デスク、椅子(按分)
- 学習費用:書籍、セミナー、オンライン講座
- 通信・光熱費:インターネット代、電気代(按分)
所得控除の活用
総合課税のメリットを活かし、各種所得控除を最大限活用しましょう。
- 基礎控除:48万円
- 配偶者控除・扶養控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 医療費控除
- 寄附金控除(ふるさと納税)
利益確定のタイミング調整
年末にポジションを整理して利益確定のタイミングを調整することで、所得の平準化が可能です。
よくある質問とトラブル対応
ThreeTraderでの税金・確定申告に関するよくある疑問にお答えします。
Q1. ThreeTraderのボーナスは課税対象?
A. 原則として課税対象です。ThreeTraderのボーナスを利用して取引し、利益が確定した時点で所得となります。
Q2. 出金していない利益も課税される?
A. はい、課税されます。ThreeTraderで利益が確定した時点で課税対象となり、実際に出金したかどうかは関係ありません。
Q3. 他の海外FX業者との損益通算は可能?
A. 同一の雑所得内では可能です。XMやExnessなど他の海外FX業者との損益は合算して申告できます。
Q4. 確定申告を忘れた場合のペナルティは?
A. 無申告加算税や延滞税が課されます。
- 無申告加算税:15%〜20%
- 延滞税:年2.4%〜8.7%
- 重加算税:最大40%(悪質な場合)
Q5. 法人化した方が節税になる?
A. 利益規模によります。年間利益が800万円を超える場合は法人化のメリットが出る可能性があります。ただし、法人設立・維持コストも考慮が必要です。
税務調査対策
海外FXは税務署からの注目度が高いため、取引記録や必要経費の領収書は7年間保管し、いつでも説明できる状態にしておくことが重要です。
ThreeTrader以外の主要海外FX業者の税金
参考として、ThreeTrader以外の主要海外FX業者でも同様の税制が適用されます。
同じ雑所得として扱われる海外FX業者
- XMTrading:最も人気の高い海外FX業者
- Exness:無制限レバレッジで有名
- TitanFX:低スプレッドが特徴
- Axiory:透明性の高い取引環境
- BigBoss:高額ボーナスが魅力
- Land Prime:機関投資家レベルの環境
これらの業者を利用する場合も、ThreeTraderと同様に雑所得として総合課税の対象となります。複数の業者を利用している場合は、全ての損益を合算して申告しましょう。
まとめ:ThreeTraderの税金対策を成功させるポイント
ThreeTraderでの税金・確定申告を適切に行うための重要なポイントをまとめます。
税務処理成功の5つのポイント
- 正確な損益計算:ThreeTraderから年間取引報告書を取得し、為替差益とスワップポイントを含めた正確な損益を把握
- 必要経費の適切な計上:取引に関連する費用をもれなく経費として計上し、課税所得を適正化
- 期限内申告の徹底:3月15日までに確定申告を完了し、ペナルティを回避
- 記録の保管:取引履歴、領収書、計算根拠を7年間保管し、税務調査に備える
- 専門家への相談:複雑なケースでは税理士に相談し、適切なアドバイスを受ける
ThreeTraderでの取引を継続する際の注意点
海外FXの税制は複雑ですが、正しい知識を持って対応すれば問題ありません。ThreeTraderでの取引利益を最大化しつつ、適切な税務処理を行うことで、安心してFX取引を継続できます。
税金に関する最新情報は国税庁のホームページや税務署で確認し、不明な点があれば専門家に相談することをおすすめします。適切な税務処理により、ThreeTraderでの取引をより安全に、そして収益性高く行うことができるでしょう。