海外FXのDD方式とは？仕組みやNDD方式との違い・メリット・デメリットを徹底解説

海外FXで取引をする際、ブローカーが注文をどのように処理するかという「約定方式」は非常に重要なポイントです。この記事では、海外FX取引の主要な約定方式である「DD方式（ディーリングデスク方式）」について詳しく解説します。DD方式の仕組み、NDD方式との違い、そしてそれぞれのメリット・デメリットを理解することで、あなたの取引スタイルに合った海外FX業者を選ぶための知識を身につけましょう。

DD方式（ディーリングデスク方式）とは？

DD方式の基本的な仕組み

DD方式は「Dealing Desk」の略で、「相対取引」や「OTC方式（オーバー・ザ・カウンター方式）」とも呼ばれています。この方式では、トレーダーとFX業者が直接1対1で取引を行います。具体的には、トレーダーの注文をまずFX業者が受け取り、そこで一旦決済した後、必要に応じてインターバンク市場などに流す仕組みです。

この仕組みからわかるように、DD方式ではトレーダーの注文をFX業者が「呑む」形になります。つまり、トレーダーが利益を出せばFX業者は損失を被り、逆にトレーダーが損失を出せばFX業者は利益を得るという、利益が相反する関係が生じます。

ディーラーは外貨を売買する用意のある価格を提示し、買値では外貨を購入し、売値では外貨を売却する。（Georgetown University Martin D. D. Evans「Foreign Exchange Market Microstructure」より引用 2025年7月8日アクセス）

DD方式の特徴

DD方式の主な特徴として、以下の点が挙げられます。

• 固定スプレッド: DD方式ではスプレッドが固定されていることが多く、相場の変動に関わらずスプレッドが一定です。
• 内部処理: トレーダーの注文は一旦FX業者内部で処理されるため、市場と直接取引するわけではありません。
• ディーラーの介在: 注文処理にはディーラーが介入し、価格操作やレートの再提示（リクオート）が起こる可能性があります。
• 流動性の提供: FX業者自身が流動性を提供するため、マイナーな通貨ペアでも取引がしやすい環境が整っています。

DD方式とNDD方式の違い

注文執行の方法の違い

DD方式とNDD方式（No Dealing Desk方式）の最大の違いは、注文の執行方法にあります。

DD方式では、トレーダーがFX業者と直接取引を行います。トレーダーの注文は一旦FX業者に吸収され、FX業者の裁量で処理されます。

一方、NDD方式では、トレーダーの注文が自動的にインターバンク市場に流される仕組みになっています。FX業者は単に注文を仲介するだけで、トレーダーとインターバンク市場を直接つなぐ役割を果たします。

スプレッドの違い

DD方式は通常、スプレッドが固定されており、狭い傾向にあります。これは、FX業者が自社で価格を提示できるためです。

対して、NDD方式では市場のレートがそのまま反映されるため、スプレッドは変動し、市場の流動性に応じて広がったり狭まったりします。一般的に、NDD方式のスプレッドはDD方式より広いことが多いです。

透明性の違い

NDD方式とDD方式には、トレーダーが出した注文がどのように執行されるかという注文執行の透明性に大きな違いがあります。

DD方式では、FX業者が注文処理に介入するため、価格操作や約定拒否のリスクが存在します。これにより、取引の透明性は比較的低くなります。

一方、NDD方式ではトレーダーの注文が直接市場に流されるため、FX業者による操作の余地が少なく、取引の透明性が高いと言えます。

外為市場は店頭取引（相対取引）が中心であるため、取引の全体像を把握することはもとより難しい。（日本銀行「外国為替電子取引（e-FX）を巡る動向」より引用 2025年7月8日アクセス）

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DD方式のメリット

DD方式を利用する際のメリットについて詳しく見ていきましょう。

スプレッドが狭い

DD方式の最大のメリットは、スプレッドが狭いことです。これは、FX業者が自社で価格を提示できるため、市場のスプレッドよりも狭く設定することが可能だからです。

たとえば、DD方式を採用しているFX業者のドル円のスプレッドは約0.1〜0.5銭程度に設定されていることが多いのに対し、NDD方式では1.5銭〜2銭程度と広い傾向にあります。

狭いスプレッドは取引コストの削減につながるため、特に頻繁に取引を行うトレーダーにとっては大きなメリットとなります。

取引コストが安定している

DD方式では、スプレッドが固定されていることが多いため、相場の変動に関わらず取引コストを予測しやすいという利点があります。これにより、トレーダーは資金管理を行いやすく、取引戦略を立てやすくなります。

特に経済指標の発表時や市場の急変時など、通常ならスプレッドが大きく広がる場面でも、コストを抑えて取引できる可能性があります。

約定が早い

DD方式では、FX業者が注文をインターバンク市場に流さずに自社内で処理することがあるため、約定速度が速い傾向にあります。これは、特に短期取引を行うトレーダーにとって重要なポイントです。

また、マイナーな通貨ペアでも、FX業者自身が流動性を提供するため、約定しやすいという利点もあります。

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DD方式のデメリット

DD方式には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。以下でその詳細を見ていきましょう。

トレーダーとFX業者の利益が相反する

DD方式の最大のデメリットは、トレーダーの損益とFX取引所の損益が相反している点です。トレーダーが利益を出せばFX業者は損失を被り、トレーダーが損失を出せばFX業者は利益を得るという関係にあります。

この利益相反の関係から、FX業者がトレーダーに不利な状況を作り出す可能性があるという懸念が生じます。

問題は、ディーリングデスク型ブローカーが取引の相手方となってマーケットメイクを行うため、顧客と直接的な利益相反関係に置かれることだ。（Investopedia「No Dealing Desk (NDD): What It Is, How It Works」より引用 2025年7月8日アクセス）

価格操作のリスク

DD方式では、FX業者が価格を提示するため、価格操作やレートの再提示（リクオート）が発生する可能性があります。特に、急激な相場変動時や経済指標発表時には、トレーダーに有利なレートでの約定を拒否される「約定拒否」が起こることもあります。

また、同じ通貨ペアでも、複数のDD方式採用FX業者のチャートを比較すると、価格差が生じていることがあります。これは、各FX業者が独自にレートを提示しているためです。

銀行ディーラーは自社のプロプライエタリ流動性プールに大量の注文を引き込み続けた。その結果、市場規模が拡大しても、広く市場参加者に「見える」取引の比率は低下した。（BIS Quarterly Review「FX trade execution: complex and highly fragmented」より引用 2025年7月8日アクセス）

スキャルピングとの相性が悪い

スキャルピングとは、数秒から数十秒の間に取引を終わらせる超短期取引手法です。DD方式を採用しているFX業者では、基本的にスキャルピングを禁止していることが多いです。

これは、スキャルピングによる短期的な小さな値幅を狙った取引が頻繁に行われると、FX業者のカバー取引が間に合わなくなり、大きな損失を抱える可能性があるためです。スキャルピング戦略を考えているトレーダーは、NDD方式を採用している海外FX業者を選ぶことをお勧めします。

スキャルピングを行いたい方は、NDD方式を採用している海外FX業者の口座開設がおすすめです！

DD方式を採用している海外FX業者

海外FX業者の中には、DD方式とNDD方式の両方を提供している業者や、口座タイプによって方式が異なる業者もあります。以下では、DD方式に対応している主要な海外FX業者を紹介します。

XMTrading

XMTradingは、世界中で人気の高い海外FX業者です。XMでは、マイクロ口座とスタンダード口座がDD方式、ゼロ口座がNDD方式を採用しています。

XMTradingのDD方式の特徴：

• スプレッドが比較的狭い
• 豊富な取引ツールと教育リソース
• 日本語サポートが充実
• 入金ボーナスが豊富

XMTradingの口座タイプや取引条件について詳しくは、XMの口座タイプ解説の記事をご覧ください。

TitanFX

TitanFXでは、スタンダード口座がDD方式、ブレード口座がNDD方式となっています。両方の口座タイプを提供することで、トレーダーの多様なニーズに対応しています。

TitanFXのDD方式の特徴：

• 低スプレッド
• 高い約定力
• 取引環境の安定性
• 充実した取引プラットフォーム

TitanFXの口座タイプについて詳しくは、TitanFX口座タイプ完全ガイドの記事をご覧ください。

BigBoss

BigBossは、DD方式を中心に提供している海外FX業者です。特に初心者トレーダーに優しい取引環境を整えています。

BigBossのDD方式の特徴：

• 狭いスプレッド設定
• シンプルな口座体系
• 豊富なボーナスプログラム
• 日本人向けのサポート体制

BigBossの口座タイプについて詳しくは、BigBoss口座タイプ完全ガイドの記事をご覧ください。

Exness

Exnessでは、スタンダード口座がDD方式、プロ口座とゼロ口座がNDD方式となっています。幅広い口座タイプで様々な取引スタイルに対応しています。

ExnessのDD方式の特徴：

• 競争力のあるスプレッド
• 高いレバレッジ設定
• 迅速な出金処理
• 充実した取引ツール

Exnessの口座タイプについて詳しくは、Exness口座タイプ完全ガイドの記事をご覧ください。

Axiory

Axioryは、スタンダード口座がDD方式、ナノ口座がNDD方式を採用しています。高い透明性と信頼性で知られる海外FX業者です。

AxioryのDD方式の特徴：

• 競争力のあるスプレッド
• 高い執行速度
• 安全性の高い資金管理
• 優れた顧客サポート

Axioryの口座タイプについて詳しくは、Axioryの口座タイプ比較の記事をご覧ください。

Land Prime

Land Primeは、スタンダード口座がDD方式、ECN口座がNDD方式を提供しています。アジア市場での人気が高まっている新興の海外FX業者です。

Land PrimeのDD方式の特徴：

• 狭いスプレッド
• 高いレバレッジ
• 迅速な約定処理
• 充実したボーナスプログラム

Land Primeの口座タイプについて詳しくは、Land Prime口座タイプ完全ガイドの記事をご覧ください。

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DD方式とNDD方式、どちらを選ぶべき？

DD方式とNDD方式、どちらが自分に合っているのか迷っている方も多いでしょう。ここでは、取引スタイルや資金規模、リスク許容度に応じた選び方をご紹介します。

取引スタイルによる選び方

取引スタイルによって、適している方式は異なります。

DD方式が向いている取引スタイル：

• 長期投資：安定したスプレッドで取引コストを抑えたい方
• デイトレード：日中の取引で固定スプレッドのメリットを活かしたい方
• スイングトレード：数日から数週間のポジションを持つ方

NDD方式が向いている取引スタイル：

• スキャルピング：数秒から数分の短期取引を頻繁に行う方
• 自動売買：高頻度取引を行うEAを使用する方
• ニュース取引：経済指標発表時に取引を行う方

資金規模による選び方

資金規模によっても、選ぶべき方式は変わってきます。

DD方式が向いている資金規模：

• 少額資金（10万円以下）：スプレッドが狭いため、少額資金でも取引コストを抑えられる
• 中規模資金（10万円〜100万円）：安定した取引環境で資金を増やしていきたい方

NDD方式が向いている資金規模：

• 中〜大規模資金（50万円以上）：取引の透明性を重視し、大きなポジションを取る方
• 機関投資家レベルの資金：市場との直接取引を望む大口トレーダー

リスク許容度による選び方

自分のリスク許容度に合わせて方式を選ぶことも重要です。

DD方式が向いているリスク許容度：

• リスク回避型：予測可能な取引コストを望む方
• 初心者トレーダー：安定した環境での取引経験を積みたい方

NDD方式が向いているリスク許容度：

• リスク許容型：市場の変動をそのまま受け入れられる方
• 経験豊富なトレーダー：透明性の高い取引環境を求める方

市場の円滑な機能と健全性は、ディーラーやブローカーを含むすべての参加者の信頼、誠実さ、そして善意によって支えられている。（Foreign Exchange Committee／NY Fed「Guidelines for Foreign Exchange Trading Activities」より引用 2025年7月8日アクセス）

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まとめ：DD方式の理解を深め最適なFX業者を選ぼう

この記事では、DD方式（ディーリングデスク方式）について詳しく解説してきました。DD方式とは、トレーダーの注文をFX業者が一旦受け取り、内部で処理する方式です。NDD方式との主な違いは、注文の執行方法、スプレッドの性質、そして取引の透明性にあります。

DD方式の主なメリットはこちら。

• 狭いスプレッド：取引コストを抑えられる
• 安定した取引環境：固定スプレッドで予測しやすい
• 高い約定速度：注文が迅速に処理される

一方、デメリットは以下の点です。

• 利益相反の関係：トレーダーとFX業者の利益が相反する
• 価格操作の可能性：レートの再提示（リクオート）や約定拒否のリスク
• スキャルピングとの相性が悪い：高頻度取引が制限される可能性がある

DD方式とNDD方式、どちらが優れているというわけではなく、トレーダーの取引スタイルや資金規模、リスク許容度に応じて選ぶことが重要です。自分に合った方式を提供している海外FX業者を選ぶことで、より効率的で快適な取引環境を手に入れることができるでしょう。

最後に、初めて海外FX取引を行う方は、まずはデモ口座で練習し、少額資金から始めることをお勧めします。経験を積みながら、自分に合った取引方式と海外FX業者を見つけていきましょう。