海外FXで使われるアプリMT4、MT5、cTraderの特徴と比較
公開日:2025.02.03
更新日:2025.02.07
海外FXを始めようと思っている人にとって、取引に使うアプリの選び方は大切です。
多くの海外FX会社が主に使っているのは、MetaTrader4(MT4)とMetaTrader5(MT5)というアプリです。
これからFXを始めたい人は、MT4やMT5について知っておくと、スムーズに取引を始められます。大事なポイントを押さえていきましょう。
この記事は以下のような人におすすめです:
この記事は以下のような人におすすめ
- 海外FXアプリの特徴を知りたい人
- MT4、MT5、cTraderの違いが気になる人
- どのFX会社がどのアプリを使っているか知りたい人
MT4、MT5、cTraderは、海外FXで広く使われている主要なアプリです。
これらのアプリの特徴や違いを理解することで、自分に合った取引環境を選べます。
この記事の見出し
国内と海外のFX会社が提供するアプリの違い
FXアプリとは?
FX会社は、スマホで簡単に使えるアプリを用意しています。
これらのアプリでは、チャートを見たり、分析をしたり、注文や決済をしたりと、様々な操作がスマホで手軽にできるように工夫されています。
FXアプリは常に改良が加えられ、使いやすさを重視して日々進化しています。
ただし、国内と海外のFX会社が提供するアプリには大きな違いがあります。その違いについて詳しく説明していきます。
国内と海外のFX会社のアプリの主な違い
国内と海外のFX会社のアプリで最も大きな違いは、「プラットフォーム」と呼ばれる取引システムです。
国内のFX会社は、それぞれが独自のアプリを開発しています。
一方、海外のFX会社のほとんどは、MT4やMT5という共通のアプリを提供しています。
最近では、市場の状況をより詳しく見られるcTraderというアプリを採用する海外FX会社も増えてきました。
最近の傾向として、国内のFX会社の中にもMT4やMT5を採用する会社が少しずつ増えています。
しかし、国内のFXでは、レバレッジが最大25倍までに制限されているなど、海外FXと比べて制約が多いことに注意が必要です。
初心者と経験者におすすめのアプリ
FXを始めたばかりの方には、国内のFX会社が開発した独自のアプリがおすすめです。
一方、本格的にFXで利益を得たい方には、海外FX会社が提供するMT4、MT5、cTraderなどのアプリがおすすめです。
編集部からのアドバイス
海外FX会社の中には、MT4やMT5を使っていても、取引方式が異なる場合があります。
NDD方式では、トレーダーが市場と直接取引しますが、DD方式では、FX会社が間に入ります。
一般的に、NDD方式の方が透明性が高いと言われています。また、DD方式のFX会社では、短時間で頻繁に取引するスキャルピングを禁止していることが多いです。
MT4やMT5を使っているからといって、必ずしもNDD方式というわけではありません。
NDD方式での取引を希望する場合は、この点に注意して会社を選びましょう。
海外FX会社が提供するアプリの種類と特徴
海外FX会社のアプリについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
XMTradingやFBSなど、独自のアプリを作っている会社もありますが、海外FX会社のアプリは主にMT4、MT5、cTraderの3つに分けられます。
それぞれの特徴は以下の通りです:
アプリの特徴
- MT4:高性能な分析ツールを複数表示でき、多様な自動売買システムにも対応
- MT5:21種類もの時間単位でチャートを表示可能
- cTrader:短時間での売買に適した取引システム
それでは、各アプリの特徴を詳しく見ていきましょう。
MT4の特徴
MT4は、ロシアのメタクオーツ社が開発した、世界中で最も広く使われているFX取引システムです
MT4の主な特徴は以下の通りです:
MT4の特徴
- 高性能な分析ツールを表示できる
- 自動売買システム(EA)に対応しているため、プログラムによる自動取引が可能
- 取引画面が非常に見やすい
MT4の最大の利点は、高性能の分析ツールによって、より詳しい市場分析ができることです。
MT4には、30種類もの分析ツールが最初から入っており、これらを1つのチャート上に重ねて表示できます。
また、各分析ツールや画面の色などを自由に変更できるので、自分にとって分かりやすく、判断しやすい設定にできます。
FXでは、チャートを使った分析が非常に重要なので、詳しく高度な分析ができるMT4は強みがあります。
また、MT4では「MQL4」という特別なプログラミング言語で作られた自動売買システム(EA)を使って、簡単に自動取引ができます。
EAの操作はパソコンで行い、取引状況の確認や手動での決済はアプリで行うなど、使い分けるのがおすすめです。
アプリを使えば、いつでも取引の成績を確認できます。
MT5の特徴
MT5は、MT4の次世代版として2011年に登場した取引プラットフォームです。
MT5には、MT4にはなかった新機能が追加され、手動で取引を行うトレーダーに使いやすい設計になっています。
MT5アプリの主な特徴は以下の通りです:
MT5アプリの特徴
- チャートの時間軸が選びやすい
- 1画面に2つのチャートを表示可能(Android版のみ)
- 価格軸の幅を変更できる
時間軸が選びやすい
iPhoneのMT5アプリでは、チャートの時間軸が横に表示されるようになり、より選びやすくなりました。
MT5のパソコン版では、21種類もの時間軸から選べます。
AndroidのMT5アプリでは、時間軸が円形で表示され、時間軸変更ツールから指標や十字線、ラインなども表示できるようになっています。
1画面に2つのチャートを表示できる(Android版のみ)
MT5のAndroid版では、スマホ画面に2つのチャートを同時に表示できる機能が追加されました。
希望の通貨ペアを選ぶと、異なる通貨ペアや時間軸のチャートを2つ同時に見ることができます。
2つのチャートを表示することで、市場の状況を一目で把握したり、通貨の強さ弱さをリアルタイムでチェックしたりできます。
また、相場が動いているのか、横ばいなのかが視覚的に分かりやすく、自分の取引方法に合っているかどうかを多角的に判断できます。
ただし、2つのチャートを見比べると、つい違う方法や通貨ペアに目移りしてしまい、分析が不十分なまま取引してしまうことがあります。
予期せぬ損失を避けるため、2チャート表示は自分の取引方法をサポートする目的で使うよう心がけましょう。
価格軸の幅を変更できる
MT5アプリでは、価格部分を縦にスワイプすることで、価格軸の幅を縦に変更できるようになりました。
これにより、様々な目盛幅でチャートの動きを見ることができ、より細かな値動きを比較できます。
短時間で頻繁に取引を行うスキャルピングを好むトレーダーにとって、MT5は強い味方となります。
一括決済ができる(iPhone版のみ)
2023年6月のアップデートで、iPhone版のMT5アプリでは一括決済が可能になりました。
以下のような細かい指定で一括決済ができます:
- 全てのポジションを決済
- 利益の出ているポジションを決済
- 損失のあるポジションを決済
- 買い/売りのポジションごとに決済
- 通貨ペアごとの決済
- 通貨ペア及び買い/売りごとの決済
2023年7月時点ではiPhoneユーザーに限られますが、MT5で一括決済ができるようになったことで、スマホでの取引効率が上がることが期待できます。
ぜひ使いこなしてみてください。
MT4とMT5の主な違い
海外FXで使えるMT4/MT5のアプリは、国内FX会社のチャート画面と比べて見やすく、売買の判断がしやすいと評価されており、多くのトレーダーに支持されています。
さらに、分析ツールやラインの種類が国内FXのアプリより豊富な点も高く評価されています。
MT4とMT5、それぞれの特徴について説明しましたので、ここで主な違いをまとめます。
比較項目 | MT4 | MT5 |
---|---|---|
動作スピード | 遅い | 速い |
時間軸 | 9種類 | 21種類 |
気配値、ナビゲーターウィンドウ | 普通 | 使いやすい |
指標の種類 | 豊富 | 普通 |
EAの種類 | 豊富 | 少ない |
それぞれの利点を考えると、自動売買(EA)を主に行っている人にはMT4、手動での取引を主に行っている人にはMT5がおすすめです。
MT4とMT5をさらに詳しく比較したい場合は、専門的な記事を参照するとよいでしょう。
cTraderの特徴
cTraderは、キプロスのSpotware社が開発したFX取引のプラットフォームです。
MT4やMT5と似たトレードツールですが、国内FXアプリの使い勝手にも近く、使いやすいと評判で、徐々に利用するトレーダーが増えてきています。
各FX会社によってアプリの名前は異なりますが(例:「FxPro cTrader」)、アプリの中身は同じです
cTraderの主な特徴は以下の通りです:
cTraderの特徴
- DMA(ダイレクトマーケットアクセス)で取引の透明性が高い
- 短期売買したい人に最適
cTraderは、ECN取引専用のプラットフォームとして開発された経緯があり、スキャルピングなどの短期売買に適しています。
また、銀行間市場に直接アクセスできるDMAを実現しているため、取引の透明性が高いという特徴があります。
MT4との比較:cTraderのメリット
- 同時決済機能がある
- 約定力が高い
- 取引制限がない
- 板情報が一目でわかる
cTraderのデメリット
- 分析ツールや自動売買システム(EA)の種類が少ない
- 対応FX会社が少ないため、情報量が少ない
同時決済ができる
MT4では複数のポジションを1つずつ長押しして決済する必要がありますが、cTraderでは画面中央の「Close Positions」という緑のボタンをタップするだけで、全てのポジションを同時に決済できます。
直感的な操作が可能で約定力が高い
MT4ではチャートを見ながら注文や損切などの操作ができませんが、cTraderではラインを引くように価格をスワイプするだけで注文価格を決められます。
注文や決済は1クリックでできて約定も早く、取引制限もないため、自由度が高いツールといえます。
板情報
板情報は、「通貨ペア一覧」を開き、確認したい通貨ペアを選んでスクロールすると下に表示されます。
cTraderでは取引手数料がかかりますが、その使いやすさから他の取引プラットフォームからcTraderに切り替えるプロトレーダーが増えつつあります。
cTraderは、中級者~上級者レベルで以下のような人におすすめのツールです:
- スキャルピングをしたい人
- 自動売買よりも手動で取引したい人
- 多くの量を取引したい人
- 取引の透明性を重視する人
主要な海外FX会社の対応アプリ一覧
各アプリの特徴について説明しましたが、主要な海外FX会社はどのアプリに対応しているのでしょうか。
各海外FX会社が対応しているアプリを一覧表にまとめました。
FX会社名 | MT4 | MT5 | cTrader |
---|---|---|---|
XMTrading(エックス エム) | ○ | ○ | × |
Exness(エクスネス) | ○ | ○ | × |
MILTON MARKETS(ミルトン マーケッツ) | ○ | ○ | × |
FXGT(エフエックスジーティー) | ○ | ○ | × |
MYFX Markets(マイエフエックス マーケット) | ○ | ○ | × |
BigBoss(ビッグボス) | ○ | ○ | × |
Traders Trust(トレーダーズ トラスト) | ○ | × | × |
FxPro(エフエックス プロ) | ○ | ○ | ○ |
HF Markets(エイチエフ マーケッツ) | ○ | ○ | × |
easyMarkets(イージーマーケット) | ○ | ○ | × |
Tradeview(トレードビュー) | ○ | ○ | ○ |
Land Prime(ランド プライム) | ○ | ○ | × |
IS6FX(アイエスシックスFX) | ○ | ○ | × |
GeneTrade(ジェネトレード) | ○ | × | × |
FXDD(エフエックス DD) | ○ | ○ | × |
ThreeTrader(スリートレーダー) | ○ | × | × |
Focus Markets(フォーカス マーケット) | ○ | ○ | × |
Vantage(ヴァンテージ) | ○ | ○ | × |
cTraderに対応している海外FX会社はまだ少なく、上記記載の会社の中ではTradeview(トレードビュー)とFxPro(エフエックスプロ)のみとなります。
海外FXの対応アプリのメリットとデメリット
海外FX対応アプリを利用するメリットとデメリットについて説明します。
海外FXの対応アプリのメリット
海外FXのアプリを使う主なメリットは以下の3つです:
アプリを使うメリット
- スマホがあればいつでもどこでも取引できる
- 操作性がシンプルで簡単
- 業者が違っても同じアプリで操作できる
1. スマホがあればいつでもどこでも取引できる
スマホ1台あれば、通勤中や外出時、家事の合間などの空き時間を利用してトレードできます。
時間と場所を選ばずに取引できるため、狙い通りの値動きになった時にすぐにエントリーや決済ができ、チャンスを逃しません。
国内FX会社のアプリも機能はありますが、パソコンと比べて機能が劣っていたり、使いにくい画面設計になっていたりする場合が多いです。
2. 操作性がシンプルで簡単
多くの海外FX会社が提供しているMT4/MT5のアプリは、操作がとてもシンプルで分かりやすいです。
機械が苦手な人でもすぐに慣れてトレードできます。
スマホアプリはパソコンより表示される情報が少ないので、画面もシンプルで操作も覚えやすいです。
また、全ての会社で共通の規格を使っているため、操作方法が統一されているメリットもあります。
3. 業者が違っても同じアプリで操作できる
複数の海外FX会社を利用していても、ログイン画面で取引する会社を切り替えるだけですぐに他の会社での取引が可能です。
取引する会社が違っても操作方法は同じなので、新しく覚える必要がありません。
海外FXで対応アプリを活用するデメリット
海外FXのアプリにもいくつかデメリットがあります:
1. 国内FXの初心者向けツールの方が使いやすい場合がある
海外FXを全く知らない初心者の場合、国内FX会社のツールの方が使いやすいという意見もあります。
国内FX会社の初心者向けツールでは、一部機能を制限して情報量を減らし、簡単に取引できるよう工夫されています。
FXに全く触れたことがない方で、どうしても海外FXを始めたい場合は、MT4やMT5のデモトレードや、口座開設後の未入金ボーナス、無料のデモトレードコンテストなどを利用することをおすすめします。
本物のお金を使わずに練習を重ねることで、実際の取引での失敗や損失を減らせます。
2. ファンダメンタルズに関する情報と為替相場を同時に見ることができない
海外FXの対応アプリでは、為替情報と取引画面を同時に見ることができません。
そのため、経済指標などを重視してトレードする人は、別の画面で為替情報を見る必要があり、国内FX会社のアプリと比べると使いにくい点があります。
国内FX会社のアプリでは、画面にテロップ形式でリアルタイムの指標や経済ニュースが表示され、チャートと同時に見られるものが多いです。
ただし、情報は自分で確認することが大切で、一つの情報源だけに頼らないように注意しましょう。
海外FX対応アプリをスマホで利用する方法
ここからは、海外FX対応アプリをスマホで使う方法として、海外FX会社の「XMTrading」での口座開設手順を説明します。
ステップ1:MT4対応会社のXMで口座開設
まず、XMの公式サイトを開き、リアル口座を開設します。
ステップ2:MT4のスマホアプリをインストール
XMの公式サイトにある「ダウンロード」をタップすると、XMのMT4がダウンロードされます。
ステップ3:MT4のアプリへアカウント情報を入力する
過去に持っていたアカウント情報がある場合は、XMのMT4にIDとパスワードを入力してログインすることで、以前のトレード情報を引き継いで取引を続けられます。
ログイン方法の詳細は、以下のリンク先を参照してください:
- ログインの仕方(iPhone版MT4)
- ログインの仕方(Android版MT4)
注意:海外FXは高リスクな取引です。
十分な知識と経験を持ち、自己責任で行ってください。
海外FXの対応アプリまとめ
国内FX会社と海外FX会社のアプリのプラットフォームには大きな違いがあります。
海外FXで提供されているプラットフォームは、拡張性や自由度が高いのが特徴です。
しかし、その分、初心者の方がすぐに完璧に使いこなすのは難しいかもしれません。
一方、国内FXのアプリは単純で分かりやすい作りになっています。
ただし、制限が多く、使い続けていくうちに物足りなさを感じる場合もあります。
自分のスキルやトレードスタイルを考えて、最適なトレードアプリを選ぶことが大切です。
自分に合ったアプリを選ぶことで、より効果的に取引を行えるでしょう。