FX初心者必見!通貨ペアの基礎知識から選び方まで完全ガイド

FX取引を始めようとしたとき、最初に悩むのが「どの通貨ペアから取引すればいいのか?」という問題です。通貨ペアの選択は取引の成否を左右する重要な要素で、特に初心者にとっては迷いやすいポイントです。

この記事では、通貨ペアの基本から種類、特徴、そして初心者におすすめの通貨ペアまで、わかりやすく解説します。これからFXを始める方も、すでに取引を始めていて知識を深めたい方も、この記事を読むことで自分に合った通貨ペア選びができるようになりますよ。

「通貨ペアとは、2つの異なる通貨の組み合わせを示すもので、一方の通貨の価値が他方の通貨に対して表示されます。通貨ペアの最初に記載される通貨を基軸通貨、2番目の通貨を決済通貨と呼びます。」(Investopedia「What Is a Currency Pair?」より引用 2025年6月23日アクセス)

Investopedia編集部

引用元:Investopedia編集部

米国の大手金融教育メディア。投資・為替分野の記事を編集・監修する専門チーム。

この記事の見出し

通貨ペアとは?基本概念を理解しよう

通貨ペアとはFX市場で取引される2つの通貨の組み合わせのことです。FX取引では、常に一方の通貨を買って、もう一方の通貨を売るという取引が行われます。

例えば、「USD/JPY」(米ドル/円)という通貨ペアでは、米ドルを買うと同時に円を売る、または米ドルを売ると同時に円を買うという取引を行います。

通貨ペアの表記方法

通貨ペアは一般的に「XXX/YYY」という形式で表記されます。

左側の通貨(XXX)は「基軸通貨」と呼ばれ、右側の通貨(YYY)は「決済通貨」と呼ばれます。

例えば:

  • USD/JPY(米ドル/円)- 基軸通貨は米ドル、決済通貨は円
  • EUR/USD(ユーロ/米ドル)- 基軸通貨はユーロ、決済通貨は米ドル
  • GBP/JPY(英ポンド/円)- 基軸通貨は英ポンド、決済通貨は円

為替レートの読み方

為替レートは、基軸通貨1単位に対して決済通貨がいくらかを示しています。

たとえば、USD/JPYのレートが110.50の場合、1米ドルは110.50円という意味です。レートが上昇すると、基軸通貨(この場合はドル)が決済通貨(円)に対して強くなったことを示します

初心者向けポイント

通貨ペアの表記順には国際的な慣習があります。主要通貨同士では、EUR、GBP、AUD、USD、CAD、CHF、JPYの順で並べるのが一般的です。だから「日本円/米ドル」ではなく「米ドル/円」と表記されるのです。

通貨ペアの種類と分類

通貨ペアは一般的に以下のカテゴリに分類されます。それぞれの特徴を理解して、自分の取引スタイルに合った通貨ペアを選ぶことが大切です。

メジャー通貨ペア(主要通貨ペア)

メジャー通貨ペアとは、米ドル(USD)と世界の主要通貨を組み合わせた通貨ペアのことです。これらは世界中で最も取引量が多く、流動性が高いため、スプレッド(売買の差額)が狭いという特徴があります。

「IMFは、市場流動性の代表指標として米ドル/英ポンド・ユーロ・円・スイスフランの4大通貨ペアを用いている。」(IMF『Global Financial Stability Report 2015 Chapter 2』より引用 2025年6月23日アクセス)

IMF GFSRチーム

引用元:IMF GFSRチーム

国際通貨基金(IMF)が年2回発行する『金融安定報告書』の執筆チーム。国際金融市場の安定性を分析。

主なメジャー通貨ペアには以下のようなものがあります。

通貨ペア呼び名主な特徴
EUR/USDユーロドル世界で最も取引量が多い通貨ペア
USD/JPYドル円日本の経済状況に影響を受けやすい
GBP/USDポンドドル「ケーブル」とも呼ばれる。価格変動が大きめ
USD/CHFドルスイススイスフランは安全資産として知られる
USD/CADドルカナダ原油価格の動向に影響を受けやすい
AUD/USDオージードル商品市場の動向に影響を受けやすい
NZD/USDキウイドルニュージーランドの農産物価格に影響される

メジャー通貨ペアは初心者におすすめの通貨ペアです。取引量が多いため、売買がしやすく、価格変動も比較的予測しやすいという特徴があります。

クロス通貨ペア

クロス通貨ペアとは、米ドル(USD)を含まない通貨ペアのことです。主要通貨同士の組み合わせで、取引量も多いものが多いです。

主なクロス通貨ペアには以下のようなものがあります。

  • EUR/JPY(ユーロ/円)
  • GBP/JPY(英ポンド/円)
  • EUR/GBP(ユーロ/英ポンド)
  • AUD/JPY(豪ドル/円)
  • CHF/JPY(スイスフラン/円)

クロス通貨ペアの中でも、円を含む通貨ペア(EUR/JPY、GBP/JPYなど)は「クロス円」と呼ばれ、日本人トレーダーに人気があります。

エキゾチック通貨ペア

エキゾチック通貨ペアとは、主要通貨と新興国の通貨を組み合わせたものです。

主なエキゾチック通貨ペアの例:

  • USD/TRY(米ドル/トルコリラ)
  • USD/ZAR(米ドル/南アフリカランド)
  • USD/MXN(米ドル/メキシコペソ)
  • USD/BRL(米ドル/ブラジルレアル)

エキゾチック通貨ペアはボラティリティ(価格変動)が大きく、スプレッドも広い傾向があります。経験豊富なトレーダー向けで、初心者には注意が必要です。

マイナー通貨ペア

マイナー通貨ペアは、メジャー通貨ペアほど取引量は多くないものの、一定の需要がある通貨ペアを指します。
例えば:

  • SGD/JPY(シンガポールドル/円)
  • NOK/JPY(ノルウェークローネ/円)
  • SEK/JPY(スウェーデンクローナ/円)

これらの通貨ペアはメジャー通貨ペアと比べるとスプレッドが広く、流動性が低い傾向がありますが、特定の状況で取引チャンスがあります。

世界で最も取引量の多い通貨ペアランキング

世界の外国為替市場で最も活発に取引されている通貨ペアを知ることは、市場の流れを理解する上で重要です。以下は、国際決済銀行(BIS)の調査に基づく、取引量の多い通貨ペアのランキングです。

「2022年4月のBIS世界FX調査では、EUR/USDが取引全体の22.7%で首位、USD/JPYが13.5%、USD/GBPが9.5%と続いた。」(BIS「OTC foreign exchange turnover Table 5」より引用 2025年6月23日アクセス)

BIS調査部

引用元:BIS調査部

スイス・バーゼルに本部を置く国際決済銀行(BIS)が3年ごとに実施するFX市場の世界規模調査チーム。

取引量トップ10の通貨ペア

  1. EUR/USD(ユーロ/米ドル) – 世界の2大経済圏の通貨
  2. USD/JPY(米ドル/円) – 世界最大と第3位の経済大国の通貨
  3. GBP/USD(英ポンド/米ドル) – 「ケーブル」の愛称で知られる
  4. AUD/USD(豪ドル/米ドル) – 商品価格の動向に敏感
  5. USD/CAD(米ドル/カナダドル) – 北米同士の貿易関係を反映
  6. USD/CHF(米ドル/スイスフラン) – スイスの安全性が魅力
  7. EUR/JPY(ユーロ/円) – 人気の高いクロス通貨ペア
  8. EUR/GBP(ユーロ/英ポンド) – 欧州域内の経済関係を反映
  9. USD/CNH(米ドル/人民元) – 中国経済の影響力拡大を示す
  10. AUD/JPY(豪ドル/円) – リスク選好の指標として使われる

これらの通貨ペアは取引量が多いため、流動性が高く、スプレッドが狭いという特徴があります。初心者の方は、これらの中から選ぶのが安全です。

海外FX会社の多くはこれらの人気通貨ペアを提供しており、XMTitanFXなどの大手ブローカーでは特に取引条件が良いことが多いです。

FX初心者におすすめの通貨ペア

FXを始めたばかりの方にとって、どの通貨ペアを選べばいいのか迷うところです。ここでは、初心者の方におすすめの通貨ペアとその理由を解説します。

1. USD/JPY(米ドル/円)

USD/JPY(米ドル/円)は初心者に最もおすすめの通貨ペアです。その理由は以下の通りです。

  • 情報が豊富:日本と米国の経済ニュースは日本語でも手に入りやすい
  • ボラティリティが適度:急激な値動きが少なく、初心者にも対応しやすい
  • スプレッドが狭い:取引コストが低く抑えられる
  • 流動性が高い:いつでも売買がしやすい

多くの日本人トレーダーがUSD/JPYから取引を始めます。日本の経済ニュースを見ながら取引できる点が大きな利点です。

2. EUR/USD(ユーロ/米ドル)

EUR/USDは世界で最も取引量の多い通貨ペアです。
初心者におすすめの理由:

  • 最も流動性が高い:取引量が多く、売買がスムーズ
  • 非常に狭いスプレッド:取引コストが最小限
  • 比較的安定した値動き:極端な乱高下が少ない

EUR/USDはテクニカル分析が効きやすいという特徴もあり、チャート分析を学びたい初心者に適しています。

3. GBP/USD(英ポンド/米ドル)

GBP/USDはやや上級者向けですが、以下の特徴があります。

  • 値動きが活発:利益機会が多い
  • 流動性が高い:取引のしやすさ
  • 経済指標への反応が明確:分析がしやすい

ただし、GBP/USDはボラティリティが高いため、初心者は少額から始めることをおすすめします

4. EUR/JPY(ユーロ/円)

EUR/JPYは日本人トレーダーに人気のクロス円です。

  • 適度なボラティリティ:取引チャンスが多い
  • 日本の経済に関連:情報を集めやすい
  • EUR/USDとUSD/JPYの影響を受ける:相関関係を学べる

EUR/JPYは値動きがUSD/JPYよりもやや大きいため、USD/JPYに慣れてから挑戦するのがおすすめです。

5. AUD/USD(豪ドル/米ドル)

AUD/USDは商品市場と関連が強い通貨ペアです。

  • 鉄鉱石や石炭などの資源価格に連動:商品市場と関連付けて分析できる
  • 比較的分かりやすい値動き:リスク選好の度合いを反映
  • 適度なボラティリティ:取引機会が多い

商品市場に興味がある初心者トレーダーにおすすめです。

初心者へのアドバイス

FX取引を始めたばかりの方は、まず1つか2つの通貨ペアに集中して取引するのがベストです。多くの通貨ペアを同時に取引すると、分析が散漫になり、良い結果につながりません。まずはUSD/JPYやEUR/USDなどの基本的な通貨ペアで経験を積みましょう。

BigbossExnessなどの海外FX会社では、これらの通貨ペアすべてを取引できます。特にXMはスプレッドの狭さで知られており、初心者に適しています。

より詳しい初心者向けの通貨ペア選びのポイントについては、FXとはのページも参考にしてください。また、国内FXと海外FXの違いについても理解しておくと、より良い取引環境を選べるでしょう。

通貨ペアの特徴と値動きのクセを知ろう

各通貨ペアには独自の「性格」や値動きのクセがあります。これらを理解することで、より効果的な取引が可能になります。

USD/JPY(米ドル/円)の特徴

  • 比較的安定した値動き:急激な変動が少ない
  • 日米の金利差に敏感:金利政策の変更に大きく反応
  • リスク選好時に上昇しやすい:市場が楽観的な時にドル買い円売りが進む
  • 経済指標への反応が明確:特に米国の雇用統計などの重要指標に反応

USD/JPYは「安全資産通貨」である円の特性から、世界経済に不安がある時には下落(円高)しやすいという特徴があります。

EUR/USD(ユーロ/米ドル)の特徴

  • 欧米の金融政策の差異に敏感:ECBとFRBの政策方針の違いが反映される
  • 政治的要因に影響されやすい:欧州の政治情勢が重要
  • 高い流動性:スムーズな取引が可能
  • テクニカル分析が効きやすい:チャートパターンが比較的明確

EUR/USDは世界の2大経済圏の通貨であるため、グローバルな経済動向を反映しやすいという特徴があります。

GBP/USD(英ポンド/米ドル)の特徴

  • 高いボラティリティ:大きな値動きが期待できる
  • 政治的要因に非常に敏感:特にBrexit以降の英国政治に反応
  • 経済指標への反応が大きい:英国のインフレ率や金利決定に大きく反応

GBP/USDは「ケーブル」の愛称で知られ、値動きが激しいため利益機会が多い一方、リスクも高いことを認識しておく必要があります。

AUD/USD(豪ドル/米ドル)の特徴

  • 商品価格と連動:特に鉄鉱石や石炭など
  • 中国経済の影響を受けやすい:中国が主要貿易相手国
  • リスク選好のバロメーター:市場が楽観的な時に上昇しやすい

AUD/USDは「コモディティ通貨」の代表であり、資源価格の動向を見ながら取引するのが効果的です。

通貨ペアの相関関係

通貨ペア同士には相関関係があります。相関関係を理解することで、リスク管理や資金管理がより効果的になります

例えば:

  • 正の相関:EUR/USDとGBP/USD(同じ方向に動きやすい)
  • 負の相関:EUR/USDとUSD/CHF(逆方向に動きやすい)

初心者は相関の高い通貨ペアで同時に同方向の取引をすることで、知らず知らずのうちにリスクを増大させている場合があります。複数の通貨ペアで取引する場合は、相関関係を意識しましょう

通貨ペアの特徴や値動きに関するより詳しい分析については、FXで一番稼げる通貨ペアのページも参考になります。

通貨ペアごとのスプレッドと取引コスト

通貨ペアを選ぶ際に考慮すべき重要な要素の一つが「スプレッド」です。スプレッドは取引コストに直結する要素であり、特に短期取引を行う場合は非常に重要です。

通貨ペア別の一般的なスプレッド比較

一般的に、通貨ペアによってスプレッドは大きく異なります。以下は代表的な通貨ペアのスプレッド傾向です。

通貨ペア一般的なスプレッド取引コスト(ロット/取引)
EUR/USD0.1〜1.0 pips低い
USD/JPY0.2〜1.0 pips低い
GBP/USD0.5〜1.5 pipsやや低い
AUD/USD0.5〜1.5 pipsやや低い
EUR/JPY0.5〜1.5 pipsやや低い
USD/TRY10.0〜50.0 pips高い

メジャー通貨ペアはスプレッドが狭く、エキゾチック通貨ペアはスプレッドが広い傾向があります。スキャルピングなどの短期取引を行う場合は、スプレッドの狭い通貨ペアを選ぶべきです。

海外FX会社によるスプレッドの違い

同じ通貨ペアでも、FX会社によってスプレッドは大きく異なります。以下は主要な海外FX会社のスプレッド比較例です。

FX会社EUR/USDUSD/JPY特徴
XM1.0 pips〜1.0 pips〜安定したスプレッド
TitanFX0.0 pips〜0.1 pips〜業界最狭クラスのスプレッド
Exness0.0 pips〜0.1 pips〜ゼロスプレッド口座あり
Bigboss0.2 pips〜0.2 pips〜安定した取引環境

スプレッドの狭さを重視するならTitanFXExnessがおすすめです。特にExnessゼロ口座は条件によりスプレッド0で取引可能です。

さらに詳しいスプレッド比較については、海外FXのスプレッド比較ページをご覧ください。

取引スタイル別におすすめの通貨ペア

トレーダーの取引スタイルによって、適した通貨ペアは異なります。自分の取引スタイルに合った通貨ペアを選ぶことで、より効率的な取引が可能になります。

スキャルピングに適した通貨ペア

スキャルピングは数秒から数分の超短期取引です。以下の条件を満たす通貨ペアが適しています。

  • 極めて狭いスプレッド:取引コストを最小限に
  • 高い流動性:注文がスムーズに約定
  • 適度な価格変動:小さな利益を積み重ねられる

スキャルピングにおすすめの通貨ペア:

  1. EUR/USD:最も流動性が高く、スプレッドが狭い
  2. USD/JPY:安定した値動きとスプレッドの狭さ
  3. GBP/USD:活発な値動きがある(経験者向け)

スキャルピングに関する詳細な情報は、海外FXでスキャルピングが勝てない理由のページも参考になります。

デイトレードに適した通貨ペア

デイトレードは1日以内の短期取引です。以下の特徴を持つ通貨ペアが適しています。

  • 一日の中で十分な値動き:利益機会の確保
  • 比較的狭いスプレッド:コスト効率
  • 予測可能性の高さ:テクニカル分析が有効

デイトレードにおすすめの通貨ペア:

  1. USD/JPY:日中の動きが読みやすい
  2. EUR/USD:テクニカル分析が効きやすい
  3. GBP/USD:活発な値動きで利益機会が多い
  4. USD/CAD:北米時間の取引に適している

スイングトレードに適した通貨ペア

スイングトレードは数日から数週間のポジションを保有する中期取引です。以下の特徴を持つ通貨ペアが適しています。

スイングトレードにおすすめの通貨ペア:

  1. EUR/USD:世界経済を反映した明確なトレンドを形成
  2. GBP/USD:政治・経済要因による中期トレンドが出やすい
  3. AUD/USD:商品市場の中期トレンドと連動
  4. USD/CAD:原油価格との相関による中期トレンド

長期投資(ポジショントレード)に適した通貨ペア

ポジショントレードは数ヶ月から数年の長期投資です。以下の特徴を持つ通貨ペアが適しています。

  • 金利差が大きい:スワップポイント収入を狙える
  • 長期的な経済ファンダメンタルズを反映:国の経済力の差
  • 政治的安定性:急激な変動リスクが低い

長期投資におすすめの通貨ペア:

  1. USD/JPY:日米の長期的な金利差を反映
  2. EUR/USD:欧米の経済力の差を長期的に反映
  3. USD/TRY:高金利通貨でスワップ収入を狙う(リスク高)
  4. USD/MXN:高金利通貨で長期的なトレンドと高スワップ

初心者へのアドバイス

取引スタイルに合った通貨ペアを選ぶことは重要ですが、最初は1〜2種類の通貨ペアで十分です。まずは米ドル/円などの基本的な通貨ペアで経験を積み、徐々に自分に合った通貨ペアと取引スタイルを見つけていくとよいでしょう。

XMExnessなどの大手海外FX会社では、これらすべての通貨ペアを取引できるだけでなく、複数の口座タイプを提供しているため、取引スタイルに合わせて口座を選ぶことも可能です。

さらに詳しい取引スタイルの情報は、海外FXの取引スタイルページで学ぶことができます。

通貨ペアを分析する方法

通貨ペアの動きを予測するには、さまざまな分析手法があります。ここでは初心者にもわかりやすく主要な分析方法を紹介します。

ファンダメンタル分析

ファンダメンタルズ分析は、経済指標や政治情勢など、通貨の価値に影響を与える基本的な要素を分析する手法です。

主なファンダメンタル要素:

  • 金利政策:中央銀行の政策金利は通貨価値に直接影響
  • 経済指標:GDP、インフレ率、雇用統計など
  • 政治情勢:選挙、国際関係、重要法案など
  • 市場センチメント:リスク選好/回避の傾向

例えば、米国の雇用統計が予想より良好だった場合、ドル高につながる可能性が高いです。このような経済指標の発表に合わせて取引戦略を立てることができます。

テクニカル分析

テクニカル分析は、価格チャートのパターンや各種指標を用いて将来の価格動向を予測する手法です。

主なテクニカル分析ツール:

  • トレンドライン:価格の方向性を視覚化
  • 移動平均線:価格のトレンドを平滑化して表示
  • RSI(相対力指数):買われすぎ/売られすぎを判断
  • MACD:トレンドの方向性と強さを分析
  • ボリンジャーバンド:価格のボラティリティを視覚化

EUR/USDやUSD/JPYなどのメジャー通貨ペアは、特にテクニカル分析が効きやすい傾向があります。

テクニカル分析の詳しい情報や各インジケーターの使い方については、海外FXのチャート分析ページで学ぶことができます。

相関分析

相関分析は、複数の通貨ペア間の値動きの関連性を分析する手法です。

主な相関関係の例:

  • EUR/USDとUSD/CHF:強い負の相関(逆方向に動く傾向)
  • EUR/USDとGBP/USD:正の相関(同方向に動く傾向)
  • AUD/USDと金価格:正の相関(同方向に動く傾向)
  • USD/CADと原油価格:負の相関(逆方向に動く傾向)

相関関係を理解することで、リスク分散や複数通貨ペアでの取引戦略を立てることができます

「対照的にEUR/USDとUSD/CHFは−1.00というほぼ完全な負の相関を示し、EUR/USDが上昇する際にはUSD/CHFが100%の確率で下落している。」(Investopedia「How to Use Currency Correlations to Your Advantage」より引用 2025年6月23日アクセス)

Troy Segal

引用元:Troy Segal

Investopedia編集者。20年以上にわたりFX・資産運用分野の記事執筆と編集を担当。

時間帯別分析

通貨ペアは時間帯によって値動きの特性が変わります。
主な市場時間帯:

  • 東京市場:午前9時〜午後6時頃(日本時間)
  • ロンドン市場:午後4時〜深夜1時頃(日本時間)
  • ニューヨーク市場:午後9時〜翌朝6時頃(日本時間)

例えば:

  • USD/JPYは東京時間に動きが少なく、ロンドン・NY時間に活発化する傾向
  • EUR/USDはロンドン・NY市場の重複時間帯(午後9時〜深夜1時)に最も活発になる傾向

自分の取引可能な時間帯に合わせて通貨ペアを選ぶことも大切です。

時間帯による取引戦略については、海外FXの時間帯別取引戦略で詳しく解説しています。

通貨ペアのスワップポイント比較

スワップポイントは2国間の金利差から生じる利益または損失であり、ポジションを翌日に持ち越す際に発生します。高金利通貨を買い、低金利通貨を売ることで、スワップポイントを受け取ることができます

「個人FX取引では、金利が低い通貨を売り、高い通貨を買うと『スワップ・ポイント』と呼ばれる金利差相当の利益が生じる。」(日本銀行レビュー『2022年を中心とした最近の個人FX取引』より引用 2025年6月23日アクセス)

松田尚樹

引用元:松田尚樹(日本銀行金融市場局)

日本銀行金融市場局調査役。個人投資家の為替取引動向や市場流動性を専門とするリサーチャー。

主要通貨ペアのスワップポイント比較

通貨ペアによってスワップポイントは大きく異なります。以下は一般的な傾向です(為替相場や金利環境により変動します)。

通貨ペア買いポジション売りポジション特徴
USD/JPYプラス (+)マイナス (-)日米の金利差によりドル買いで受取
EUR/USDマイナス (-)プラス (+)米国金利が高いためユーロ売りで受取
TRY/JPY大きくプラス (+++)大きくマイナス (—)トルコの高金利により買いで大きく受取
MXN/JPY大きくプラス (+++)大きくマイナス (—)メキシコの高金利により買いで大きく受取

特に高金利通貨(トルコリラ、メキシコペソなど)は、スワップポイントが大きい傾向があります。ただし、これらの通貨は為替変動リスクも大きいことに注意が必要です。

スワップ運用におすすめの通貨ペア

スワップポイントを目的とした運用(スワップ運用)を考えている場合、以下の通貨ペアがおすすめです。

  1. TRY/JPY(トルコリラ/円):非常に高いスワップポイント
  2. メキシコペソ/JPY(メキシコペソ/円):高いスワップポイントと比較的安定した経済
  3. ZAR/JPY(南アフリカランド/円):比較的高いスワップポイント

ただし、これらの通貨ペアは値動きが大きいため、短期的な為替変動で得られるスワップポイントが相殺されるリスクがあります

スワップ運用は長期的な視点で行うことが重要であり、短期的な為替変動に一喜一憂しないメンタルが必要です。

スワップポイントについて詳しく知りたい方は、海外FXのスワップポイント比較ページをご覧ください。

FX会社によるスワップポイントの違い

同じ通貨ペアでも、FX会社によってスワップポイントは大きく異なります。以下は主要な海外FX会社のスワップポイント比較例です。

FX会社USD/JPY(買い)TRY/JPY(買い)特徴
XM約0.5 pips/日約20 pips/日安定したスワップポイント
TitanFX約0.6 pips/日約22 pips/日高めのスワップポイント
Exness約0.7 pips/日約25 pips/日業界トップクラスのスワップ

スワップポイント狙いの取引を考えている場合は、FX会社の比較が特に重要です。また、スワップポイントは市場環境により常に変動しているため、最新の情報をチェックすることをおすすめします。

Exnessは特に高いスワップポイントを提供していることで知られており、スワップ運用を考えている方におすすめです。

おすすめの海外FX会社と提供通貨ペア

海外FX会社によって、提供している通貨ペアの数や種類、取引条件は大きく異なります。ここでは、主要な海外FX会社の通貨ペアについて解説します。

XMの通貨ペア

XM合計57種類以上の通貨ペアを提供しており、初心者から上級者まで幅広いトレーダーに対応しています。

主な特徴:

  • 全ての主要通貨ペアを網羅
  • マイナー通貨ペアも充実(北欧通貨、アジア通貨など)
  • 高金利通貨ペアも多数(TRY/JPY、MXN/JPYなど)
  • 安定したスプレッド(固定スプレッド口座あり)

XMは初心者に特におすすめのFX会社であり、通貨ペアの種類も豊富で選択肢が多いです。

XMの通貨ペアや取引条件について詳しく知りたい方は、XM口座タイプ一覧をご覧ください。

TitanFXの通貨ペア

TitanFX70種類以上の通貨ペアを提供しており、特に低スプレッドに強みを持つFX会社です。

主な特徴:

  • 業界最狭クラスのスプレッド
  • エキゾチック通貨ペアも充実
  • NDD方式による高速約定
  • 高いスワップポイント

TitanFX特にスキャルピングなど短期取引を行うトレーダーにおすすめです。

TitanFXの通貨ペアやスプレッドについて詳しく知りたい方は、TitanFXのスプレッド解説をご覧ください。

Exnessの通貨ペア

Exness100種類以上の通貨ペアを提供しており、業界最多クラスの通貨ペア数を誇ります。

主な特徴:

  • ゼロ口座あり(条件あり)
  • エキゾチック通貨ペアの種類が豊富
  • 無制限レバレッジ(一部口座)
  • 高いスワップポイント

Exness特に経験豊富なトレーダーや幅広い通貨ペアを取引したいトレーダーにおすすめです。

Exnessの口座タイプや取引条件について詳しく知りたい方は、Exness口座タイプ一覧をご覧ください。

BigBossの通貨ペア

BigBoss約50種類の通貨ペアを提供しており、使いやすさと安定性に定評があります。

主な特徴:

  • 主要通貨ペアのスプレッドが安定
  • 高いレバレッジ(最大2222倍)
  • 日本人向けサポートが充実
  • 豊富なボーナスプログラム

BigBoss特に日本人トレーダーにとって使いやすいFX会社です。

BigBossの取引条件やボーナスについて詳しく知りたい方は、BigBossの口コミ・評判をご覧ください。

FX会社選びのポイント

通貨ペアを考慮したFX会社選びのポイントは以下の通りです。

  1. 取引したい通貨ペアが提供されているか
  2. その通貨ペアのスプレッドは適切か
  3. スワップポイントは競争力があるか
  4. 取引時間に制限はないか
  5. 注文方法や取引ツールは使いやすいか

特に初心者の方は、まず少数の通貨ペアに集中して取引するのがおすすめです。その場合、XMのような安定したスプレッドと使いやすいプラットフォームを提供するFX会社を選ぶとよいでしょう。

経験を積んでから、より特化した条件(極小スプレッドやエキゾチック通貨など)を求めてTitanFXExnessなどに口座を追加するという方法もおすすめです。

FX会社選びについてさらに詳しく知りたい方は、FX初心者のためのFX業者選びのページをご覧ください。

まとめ:自分に最適な通貨ペアを見つけるには

この記事では、通貨ペアの基本から、種類、特徴、そして初心者におすすめの通貨ペアまで詳しく解説してきました。最後に、自分に最適な通貨ペアを見つけるためのポイントをまとめます。

通貨ペア選びの7つのポイント

  1. 取引スタイルに合った通貨ペアを選ぶ
    • スキャルピング:スプレッドの狭い通貨ペア(EUR/USD、USD/JPYなど)
    • デイトレード:適度なボラティリティのある通貨ペア(USD/JPY、GBP/USDなど)
    • スイングトレード:トレンドを形成しやすい通貨ペア(EUR/USD、AUD/USDなど)
    • 長期投資:金利差の大きい通貨ペア(TRY/JPY、MXN/JPYなど)
  2. 自分の取引可能な時間帯に活発な通貨ペアを選ぶ
    • 日本時間の日中:アジア通貨ペア(USD/JPY、AUD/USDなど)
    • 日本時間の夕方から夜:欧州関連通貨ペア(EUR/USD、GBP/USDなど)
    • 日本時間の深夜:米国関連通貨ペア(USD/CAD、USD/MXNなど)
  3. 取引コスト(スプレッド)を考慮する
    • 短期取引:スプレッドの狭い通貨ペアが必須
    • 長期取引:相対的にスプレッドの影響は小さい
  4. 情報収集のしやすさを考慮する
    • 日本人にとっては、USD/JPYなど日本関連の通貨ペアは情報が得やすい
  5. 通貨ペアの特性と相場環境の相性を考える
    • リスク選好環境:AUD/USD、NZD/USDなどのリスク選好通貨が強くなりやすい
    • リスク回避環境:USD/JPY、USD/CHFなどの安全資産通貨が強くなりやすい
  6. 少数の通貨ペアに集中する
    • 特に初心者は1〜2種類の通貨ペアに集中するのがおすすめ
  7. FX会社の提供条件を比較する
    • スプレッド、スワップポイント、約定力など

初心者におすすめの通貨ペア再確認

初心者の方には、以下の通貨ペアから始めることをおすすめします。

  1. USD/JPY(米ドル/円):最も基本的で情報も得やすい
  2. EUR/USD(ユーロ/米ドル):最も流動性が高く、スプレッドが狭い
  3. EUR/JPY(ユーロ/円):日本人に人気のクロス円

これらの通貨ペアで経験を積んでから、徐々に他の通貨ペアに挑戦していくとよいでしょう。

最後に、自分に合った通貨ペアを見つけるには、実際に取引してみることが一番の近道です。XMExnessなどの主要な海外FX会社ではデモ口座でリスクなく練習できるので、まずはそこから始めてみることをおすすめします。

通貨ペアの選択は、FX取引の成功の鍵となる重要な要素です。この記事が皆さんの通貨ペア選びの一助となれば幸いです。

FX初心者の方は、通貨ペアの知識とともに、海外FXの魅力・メリット海外FXの勉強方法についても学んでおくと、より効果的な取引を行うことができるでしょう。

よくある質問

通貨ペアの表示方法には決まりがありますか?

通貨ペアの表示には一般的な慣例があります。通常、左側に基準通貨、右側に相手通貨を置きます。例えば、USD/JPYの場合、1米ドルに対して何円かを示します。また、通貨はISO通貨コードで表されます(USD=米ドル、EUR=ユーロなど)。ペアの並び順には一定の規則があり、通常はEUR、GBP、AUD、NZD、USD、CAD、CHF、JPYの順で優先されます。ただし、これはあくまで慣例であり、絶対的なルールではありません。

通貨ペアの相関関係とは何ですか?

通貨ペアの相関関係とは、2つの通貨ペアの値動きがどの程度似ているかを示すものです。正の相関がある場合、2つのペアは同じ方向に動く傾向があります(例:EUR/USDとGBP/USD)。負の相関がある場合は、逆方向に動く傾向があります(例:EUR/USDとUSD/CHF)。相関関係を理解することで、リスク分散や複数のポジションの管理に役立ちます。ただし、相関関係は市場環境によって変化することがあるので、定期的に確認する必要があります。

ベースカレンシーとは何ですか?

ベースカレンシー(基準通貨)とは、通貨ペアの左側に表示される通貨のことです。例えば、EUR/USDではEURがベースカレンシーです。ベースカレンシーは、相場の値動きを判断する基準となります。ペアの価格が上昇する場合、ベースカレンシーの価値が相手通貨に対して強くなっていることを意味します。海外FXでは、ベースカレンシーを1単位として、それに対する相手通貨の価値で価格が表示されます。

通貨ペアの強弱はどのように判断しますか?

通貨ペアの強弱は、複数の要因を考慮して判断します。主な方法としては、経済指標の分析、金利差の比較、政治的要因の評価などがあります。また、通貨強弱チャートを使用して、各通貨の相対的な強さを視覚的に確認することもできます。トレンドの方向や勢いを示す技術指標(移動平均線やRSIなど)も参考になります。複数の時間軸で分析し、総合的に判断することが重要です。ただし、市場環境は常に変化するので、継続的な観察が必要です。

通貨ペアの取引時間はいつですか?

通貨ペアの取引は、世界中の主要な金融センターの営業時間に合わせて、ほぼ24時間行われています。一般的に、週明けのニュージーランド市場のオープン(日本時間月曜朝5時頃)から、週末の米国市場のクローズ(日本時間土曜朝6時頃)まで取引可能です。ただし、通貨ペアによって最も活発に取引される時間帯が異なります。例えば、EUR/USDはロンドン市場とニューヨーク市場の重なる時間帯が最も流動性が高くなります。