Exness(エクスネス)の税金・確定申告完全ガイド|税率・計算方法・必要書類まで徹底解説
海外FX業者として多くの日本人トレーダーが利用しているExness(エクスネス)で取引をスタートした方の多くが疑問に思うのが、税金・確定申告の仕組みです。国内のFX業者とは税制の仕組みが違うため、正しい知識を身につけることが非常に大切になります。
この記事では、Exnessで得た利益にかかる税金の基本的な仕組みから、確定申告のやり方、効果的な節税方法まで、FX初心者の方でも理解しやすいように詳しく説明していきます。
この記事の見出し
Exness(エクスネス)の税金の基本知識
海外FXは雑所得として課税される
Exnessをはじめとする海外FX業者で得た利益は、雑所得として総合課税の対象になります。これは国内FXと海外FXで違いがあり、国内FXの申告分離課税とは大きく異なる点です。
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。(国税庁「雑所得」より引用 2025年8月1日アクセス)

引用元:国税庁
国税庁は、日本の税務を司る中央機関として、所得税法をはじめとする各種税制の運用と納税者への情報提供を行っています。
確定申告が必要な条件
Exnessでの取引で確定申告が必要になる条件は以下のようになっています:
対象者 | 確定申告が必要な利益額 |
---|---|
給与所得者(会社員・公務員など) | 年間20万円超 |
非給与所得者(自営業・主婦・学生など) | 年間48万円超 |
重要なポイントとして、損失が出た年でも確定申告をすることで、翌年以降の利益と相殺できる仕組みがあります。この制度をうまく活用することで、長期的な税負担を減らすことが可能です。
Exnessでの取引を始める前に税金の仕組みを理解しておくことで、計画的な投資が可能になります。まずは口座開設から始めてみましょう。
Exnessでの税金計算方法
総合課税による税率
海外FXの利益は総合課税のため、他の所得と合わせて税率が決まります。所得税率は以下のとおりです:
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
これに加えて住民税(10%)と復興特別所得税(2.1%)が課税されます。
本研究では、アンケート調査を用いて FX 個人投資家の投資パフォーマンスの決定要因を分析し、①行動バイアスと②投資戦略・取引行動のどちらがパフォーマンスに強く影響しているのかを検証する。(神戸大学「FX 証拠金取引で成功するためのカギ:投資戦略と行動バイアスの役割」より引用 2025年8月1日アクセス)

引用元:岩壷健太郎
神戸大学大学院経済学研究科教授。金融経済学の専門家として、FX投資家の行動分析や投資パフォーマンスの決定要因について実証研究を行っています。
具体的な計算例
年収500万円の会社員がExnessで年間100万円の利益を上げた場合の計算例をご紹介します:
- 総所得金額:500万円(給与)+ 100万円(FX利益)= 600万円
- 所得税:600万円 × 20% – 427,500円 = 772,500円
- 住民税:600万円 × 10% = 600,000円
- 復興特別所得税:772,500円 × 2.1% = 16,223円
合計税額:約138万円(実効税率約23%)
注意
利益が大きくなるほど税率も高くなる累進課税制度のため、事前に税負担を計算しておくことが重要です。
確定申告の手順と必要書類
確定申告の基本的な流れ
Exnessでの利益を確定申告する手順は以下のとおりです:
- 年間取引報告書の取得
- 必要経費の整理
- 確定申告書の作成
- 提出・納税
Exnessでの年間取引報告書の取得方法
Exnessでは税務申告用の証明書を発行できます。以下の手順で取得しましょう:
- Exnessの会員ページにログイン
- 「サポート」セクションから「税務書類証明書」を選択
- 必要な期間を指定して申請
- 承認後、PDFファイルをダウンロード
この証明書には、年間の損益合計や取引履歴が記載されており、確定申告に必要な情報がすべて含まれています。
必要経費として計上できるもの
Exnessでの取引に関連する以下の費用は必要経費として計上可能です:
節税対策と注意点
効果的な節税方法
Exnessでの取引において、以下の節税対策が効果的です:
1. 損切りを適切に行う
年末時点で含み損のポジションを決済することで、その年の利益と相殺できます。ただし、税金対策のみを目的とした取引は避け、投資戦略に基づいて判断することが重要です。
2. 必要経費を漏れなく計上
FX取引に関連する費用は適切に経費計上しましょう。特に以下の点に注意してください:
- 按分計算:自宅の光熱費・通信費などは取引に使用する割合で按分
- 領収書の保管:経費として計上する項目の証憑は必ず保管
- 記録の整備:取引日記や経費の記録を詳細に残す
税務調査への備え
取引記録や経費の証憑は7年間保管が必要です。税務調査に備えて適切な記録管理を心がけましょう。
申告漏れのリスクと対策
海外FXの利益を申告しないと、重いペナルティが課される可能性があります:
ペナルティの種類 | 税率 |
---|---|
無申告加算税 | 15%~20% |
延滞税 | 年7.3%~14.6% |
重加算税 | 35%~40% |
適切な税務処理でExnessでの取引を安心して続けるために、まずは正しい知識を身につけることから始めましょう。
国内FXとの税制比較
課税方式の違い
項目 | 海外FX(Exness) | 国内FX |
---|---|---|
課税方式 | 総合課税(雑所得) | 申告分離課税 |
税率 | 累進税率(5%~45%) | 一律20.315% |
損益通算 | 他の雑所得とのみ可能 | 先物取引等と可能 |
繰越控除 | 3年間 | 3年間 |
どちらが有利か
所得水準によって有利・不利が変わります:
- 年収330万円以下:海外FXの方が税率が低い
- 年収695万円以上:国内FXの方が税率が低い
- 年収330万円~695万円:FXの利益額により変動
所得税法における「業務」の範囲について、雑所得を生ずべき業務を行う居住者のその年の前々年分のその業務に係る収入金額が300万円以下である場合には、その業務に係る雑所得の計算上、その者が備え付けている帳簿書類に基づき計算することができる。(国税庁税務大学校「所得税法における『業務』の範囲について」より引用 2025年8月1日アクセス)

引用元:柿原勝一
国税庁税務大学校の研究員として、所得税法における雑所得の区分や業務の範囲について詳細な研究を行っている税制の専門家です。
Exnessでの確定申告における特殊事項
外貨建て取引の円換算
Exnessでの取引は主にUSD建てで行われるため、確定申告時には必ず円換算が必要です。
換算レートの適用ルール
- ポジション決済時:決済日のTTM(電信売買相場の仲値)を使用
- 年末時点の含み損益評価:12月31日の終値レートを適用
- 換算根拠:銀行が公表するレートまたは外国為替市場の実勢レート
複数通貨ペア取引時の注意点
通貨ペア別に損益を分けて計算し、最終的に合算して申告します。この際、各通貨ペアの取引記録を詳細に残しておくことが重要です。
よくあるトラブルと対処法
取引記録の不備
問題:Exnessでの取引記録が不完全で、正確な損益計算ができない
対処法:
- Exnessの会員ページから詳細な取引履歴をダウンロード
- 税務書類証明書を活用
- MT4/MT5の取引履歴も併用
経費の按分計算
問題:自宅での取引における経費の按分方法が不明
対処法:
- 時間按分:1日のうち取引に使用する時間の割合
- 面積按分:自宅のうち取引専用スペースの割合
- 使用頻度按分:機器の取引専用使用の割合
専門家への相談
複雑な取引や高額な利益がある場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
2024年以降の税制改正への対応
デジタル課税への対応
近年、クロスボーダーのデジタル取引に対する課税強化が進んでいます。海外FX取引も例外ではなく、以下の点に注意が必要です:
- CRS(共通報告基準)による情報交換の拡大
- 金融口座情報の自動交換
- 申告漏れの発見率向上
今後の税制動向
海外金融商品への課税は今後も厳格化される傾向にあります。適切な申告を継続することで、将来的なリスクを回避できます。
税制の変化に対応しながらExnessでの取引を続けるために、今からでも正しい税務処理を始めましょう。
まとめ
Exness(エクスネス)での取引による利益は、雑所得として確定申告が必要です。主なポイントを以下にまとめます:
重要ポイント
- 確定申告の条件:給与所得者は年間20万円超、非給与所得者は48万円超
- 税率:総合課税により5%~45%の累進税率
- 必要書類:Exnessの税務書類証明書と取引記録
- 節税対策:適切な経費計上と損益管理
- 円換算:すべての損益を決済時の為替レートで円換算
実践すべきこと
- 詳細な取引記録の保管(7年間)
- 関連経費の領収書保管
- 年間の損益計算の定期的な実施
- 税制変更への対応
適切な税務処理を行うことで、Exnessでの取引を安心して継続できます。不明な点がある場合は、早めに税理士などの専門家に相談することをお勧めします。