【トルコリラに注目】海外FXでスワップポイントを使って収益を得る方法
公開日:2025.01.23
更新日:2025.01.23
海外FXでは、通貨の売買時の為替レート変動で利益を得るのが主な方法ですが、通貨間の金利差を活用して稼ぐ方法もあります。この金利差から生まれる利益をスワップポイント(スワップ金利)と呼びます。スワップポイントは一度で大きな利益を得るのは難しいですが、上手に活用すれば安定的に継続して利益を出せる可能性があります。
海外FXと国内FXのスワップポイントの仕組みは基本的に同じですが、海外FXは国内FXより取り扱い通貨ペアが多い傾向があります。一方で、海外FXは国内FXより日本円との通貨ペアが少ない傾向にありますが、日本円と同様に政策金利が低いユーロが人気です。
この記事の見出し
海外FXのスワップポイントに関する基礎知識
通常、各国は通貨に対して政策金利を設定しています。2019年10月時点の例を見てみましょう。
- 日本の政策金利:マイナス0.10%(超低金利)
- メキシコペソ:7.75%
- トルコリラ:14%
一般的に、新興国の方が先進国よりも政策金利が高い傾向にあります。
ただし、海外FXでは業者によって金利が大きく異なる場合があります。例えば、政策金利が高いトルコリラよりも、メキシコペソや南アフリカランドの金利を高く設定している業者もあるので注意が必要です。
スワップポイントとは
海外FXにおけるスワップポイントは、各国が発行する通貨の金利差調整分のことです。例えば、金利が高いトルコリラを買い、金利が低い日本円を売る取引をすると、その通貨を保有している間、2国間の政策金利の差額分を受け取れます。
逆に、金利の高い通貨を売って低い通貨を買うと、スワップポイントを支払う必要があるので注意しましょう。
スワップポイントの特徴
- 通貨を保有している間、基本的に毎日付与されます
- 値動きの小さい通貨ペアなら、海外預金のような感覚で利益を狙えます
- 1日当たりのスワップポイントは大きくないため、通常は数カ月~数年のポジション保有が一般的です
スワップポイントがもらえるタイミング
海外FXでは、スワップポイントは各営業日のロールオーバー時に付与されます。ロールオーバーとは、1日の最後の市場であるニューヨーク市場が閉まり、メンテナンス時間が終了した時点のことです。
具体的には以下のようになります。
- ニューヨーク市場の閉まる時間:日本時間の午前6時(冬時間は午前7時)
- この時間をまたぐかどうかで、1日分のスワップポイントがもらえるかが決まります
スワップポイントの計算方法と付与の仕組み
- 1年分の金利差額を365日で割って1日分のポイントを算出
- 365日毎日付与される
- 保有日数によって変化する
注意:海外FX業者によって付与方法が異なる場合があります。
例えば土曜日、日曜日のスワップポイントを水曜日のニューヨーククローズ時に付与する業者もあります
この場合、水曜日には3日分のスワップポイントが加算されることになります
スワップポイントの計算方法
スワップポイントの1日当たりの金額について見ていきましょう。実際には海外FX業者が自動で計算するので、トレーダーが自分で計算する必要はありませんが、概念として理解しておくと良いでしょう。
MetaTrader 4(MT4)やMetaTrader 5(MT5)を使用する場合、スワップポイントの計算に必要な要素は以下の4つです。
- 契約サイズ
- 少数桁(3桁の場合は0.001、5桁の場合は0.00001)
- スワップポイント
- 取引数量(ロット数)
1日分のスワップ金額を求める計算式
「契約サイズ」×「少数桁」×「スワップポイント」×「取引数量(ロット数)」
具体例
AUDJPY(豪州ドル円)を1万通貨(=0.1ロット)保有している場合を考えてみましょう。
- 契約サイズ:100,000
- 少数桁:3桁(=0.001)
- スワップポイント:1.3
- 取引量:0.1
計算:100,000 × 0.001 × 1.3 × 0.1 = 13
この結果の13の単位は、通貨ペアの右側にくる通貨になります。今回はAUDJPYのため、13円ということになります。
つまり、AUDJPYの通貨ペア1万通貨を持っていた場合、1日当たり13円のスワップポイントを受け取ることができるということです。
注意:実際のスワップポイントは市場状況や業者によって変動するため、この例はあくまで計算方法の理解のためのものです。
海外FXでスワップポイントを活用して収益を上げるには?
高金利の通貨ペアを選ぶ
スワップポイントで効率的に収益を得るには、2つの通貨間の金利差が大きいものを選び、その差を利用する方法が一般的です。高金利通貨の代表格として、以前は以下の通貨が人気でした。
- トルコリラ
- メキシコペソ
- 南アフリカランド
2019年4~6月時点での各通貨の金利は以下の通りでした。
通貨 | 金利 |
---|---|
トルコリラ | 24.0% |
メキシコペソ | 8.25% |
南アフリカランド | 6.75% |
これらの通貨と日本円のペアポジションを保持しておくだけで、一日当たり数百円の収益を得られる可能性があります。
ただし、高金利の通貨は新興国のものが多く、通貨そのものが値下がりするリスクがあります。このリスクについては、後ほど詳しく説明します。
海外FXのスワップ取引における注意点
海外FXのスワップ取引には、以下の特徴があります。
- ロスカットされにくい
- 高いレバレッジを利用できる
- ロスカット水準が低い
ただし、高いレバレッジには注意が必要です。少ない資金で大きな取引ができる反面、金利や為替レートのわずかな変動でも大きな影響を受ける可能性があります。
新興国通貨の暴落リスク
高金利の通貨の多くは新興国のものです。これらの国々は高い金利で海外からの投資を呼び込み、経済成長を目指しています。しかし、高金利には相応のリスクが伴います。
例えば
- 2018年のトルコリラの暴落
- トルコとアメリカの対立が原因
- アメリカの経済制裁によりトルコリラが一時20%以上下落
- トルコリラ円でスワップポイントを持っていたトレーダーが大きな損失を被った
このように、新興国の通貨は政治的対立や国内情勢の不安定さから急激に価値が下がることがあります。スワップポイントで収益を得る際は、こうしたリスクも考慮に入れる必要があります。
買いスワップと売りスワップの違い
海外FXでは、各通貨ペアに対して「買いスワップ」と「売りスワップ」の2種類があります。
- 買いスワップ:通貨を買った場合に付与されるスワップポイント
- 売りスワップ:通貨を売った場合に付与されるスワップポイント
一般的な傾向
- 高金利通貨を買い、低金利通貨を売る場合(例:トルコリラ円の買い)
- 買いスワップ:プラス
- 高金利通貨を売り、低金利通貨を買う場合(例:トルコリラ円の売り)
- 売りスワップ:マイナス(スワップポイントを支払う必要あり)
マイナススワップに要注意
マイナススワップとは、金利差を海外FX業者に支払っている状態です。例えば、「トルコリラ円の売り」取引では、スワップポイントがマイナスとなり、その金利差分を業者に支払う必要があります。
マイナススワップの取引を続けると、損失が大きくなる可能性が高いため、速やかに取引を解消することをおすすめします。
スワップポイントを活用する際は、買いスワップと売りスワップの違いを理解し、マイナススワップに注意しながら取引を行うことが重要です。
海外FXにおけるスワップポイントの活用
スワップポイントは、上手に活用すれば安定した利益を得られる魅力的な方法です。日本円は世界的に見ても低金利を維持しているため、日本円と高金利の通貨ペアを組み合わせることで、1日あたり数百円の利益を得られる可能性があります。これを継続的に積み立てることで、大きな金額になる可能性があります。
注意点:新興国通貨の暴落リスク
しかし、スワップポイントを活用する際には、新興国通貨の暴落に注意が必要です。例えば、2018年のトルコリラの暴落のような事態が起きると、それまでの利益が全て失われてしまう可能性があります。
安定的な利益を目指すために
- 世界情勢に常に注意を払う
- 各国の状況を把握する
- リスクを十分に理解する
- スワップポイントを適切に活用する
これらの点に気をつけながら、スワップポイントを活用することで、より安定的な利益を目指すことができるでしょう。