車検で想定外いくら払った?“見積り超過”経験率と平均超過額

Song合同会社は、20〜40代の自家用車・バイク所有者を対象に「車検の見積り超過」に関する実態調査を実施しました。結果、直近の車検で「最終請求が見積りを上回った」人は全体の58%。超過額の平均は2.9万円で、内訳は「部品交換」1.6万円、「追加整備」0.9万円、「諸費用」0.4万円でした。モデル世帯での試算では、独身世帯で+2.6万円、ファミリー世帯(2台合計)で+5.4万円の超過が生じやすい結果となりました。

調査概要

調査名車検における見積り超過の実態調査
発信主体Song合同会社
調査対象20〜40代 全国男女(自家用四輪・二輪いずれかの所有者)
有効回答数450人
調査方法インターネット調査
調査期間2025年8月1日〜17日
モデル世帯(例)独身:31歳・都内賃貸1LDK・自家用車1台(1.3Lコンパクト)・年間走行約6,000km・車検は正規ディーラー利用が中心 ファミリー:夫婦30代・子ども1人・郊外持ち家・自家用車2台(ミニバン+軽)・年間走行合計約15,000km・車検は認証/指定工場併用

※数値は小数点以下四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。

見積り超過の実態—年代/利用先/車種区分で比較

1) 全体・年代別の見積り超過「経験率」

区分経験率主な要因(自由回答より)
全体58%バッテリー・ブレーキ周りの消耗、油脂類交換の追加
20代52%初回車検での軽微な交換、説明不足による追加
30代60%子育て世帯・走行増に伴う部品摩耗
40代62%長期保有・走行距離の累積に伴う交換項目増

2) 利用先別の見積り超過「経験率」

利用先経験率コメント傾向
正規ディーラー65%推奨整備の追加提案が多く、品質と引き換えに費用増
指定/認証工場55%必要最小限寄りだが、分解後の追加が発生
格安車検(短時間)44%基本は低額、ただし消耗品は別見積りで上振れも

3) 車種区分別の見積り超過「経験率」

車種区分経験率超過の主因
軽自動車49%バッテリー・ブレーキパッド
コンパクト(〜1.5L)56%油脂類・補機ベルト・ワイパー
ミニバン/SUV67%ブレーキローター・足回り・タイヤ周辺
二輪(〜400cc/大型含む)41%タイヤ・チェーン・ブレーキ周り

ユーザーの声

  • T.K.(32)会社員:「見積り時は“様子見”だったバッテリーが、入庫後に交換必須と言われてプラス1.3万円。安全面を考えると断れませんでした。」
  • R.S.(28)デザイナー:「格安車検で基本料は安かったけど、ブレーキ周りの追加で結局+1.8万円。でも総額はディーラーより抑えられました。」
  • M.N.(39)公務員:「ミニバンで部品点数が多く、推奨整備を足したら+4万円。走行距離が多いと仕方ないのかも。」

どれだけ超過した?—平均超過額と内訳+モデル世帯シミュレーション

1) 平均超過額と内訳

指標金額構成比
平均超過額(全体)2.9万円
部品交換1.6万円55%
追加整備(清掃・調整等)0.9万円31%
諸費用(手数料・書類等)0.4万円14%

車種・利用先別の平均超過額

区分平均超過額
軽自動車2.1万円
コンパクト2.6万円
ミニバン/SUV3.6万円
二輪1.4万円
正規ディーラー3.2万円
指定/認証工場2.7万円
格安車検2.1万円

2) モデル世帯シミュレーション

独身(都内・1.3Lコンパクト/ディーラー中心)

見積り時点基本整備・法定費用合計:9.8万円
最終請求追加含む合計:12.4万円
超過額+2.6万円
主な内訳バッテリー交換1.2万円/ブレーキ清掃・調整0.7万円/諸費用0.7万円

ファミリー(郊外・ミニバン+軽/認証・指定工場併用)

車両見積り最終超過額主な内訳
ミニバン12.6万円16.8万円+4.2万円フロントブレーキ(パッド+ローター)2.4万円/CVTフルード1.0万円/諸費用0.8万円
軽自動車8.0万円9.2万円+1.2万円補機ベルト交換0.8万円/その他0.4万円
合計20.6万円26.0万円+5.4万円

ユーザーの声

  • H.Y.(35)会社員:「ローターまで替えるとは思わず+3万円超。でもブレーキは命に関わるので納得しました。」
  • S.A.(30)保育士:「独身時代は車検で+1〜2万円程度でしたが、家族になって走行が増えると費用も増えました。」
  • K.O.(38)自営業:「“推奨”と“必須”の区分が曖昧で、結局全部お願いして+4万円に。内訳の明確化は必須だと思います。」

超過を防ぐには—実践度と効果(相見積り/事前点検・写真説明/上限額設定/見積書チェック)

1) 主要対策の実践率

対策実践率概要
相見積もりの取得38%2〜3社の総額と交換条件を比較
事前点検+写真/動画で説明42%摩耗箇所の見える化で合意形成
上限額の事前設定(電話承諾含む)27%超過見込み時に要連絡/承認の取り決め
見積書チェックリストの活用54%「必須/推奨」区分、部品状態写真、法定/任意線引き、工賃内訳 等

2) 対策の「効果」—超過の頻度・金額の低減

実施状況見積り超過の発生率平均超過額主な差分要因
主要対策を0件68%3.3万円現場判断の追加が多い/説明不足
主要対策を1〜2件54%2.7万円一部可視化・連絡ルールの効果
主要対策を3件以上43%2.2万円事前合意の徹底/不要交換の抑制

※相見積もり実施者は未実施者に比べ、平均超過額が23%低い結果。事前点検と写真説明の併用では19%低減。上限額設定は28%低減する一方、必要整備の先送りが6%で発生(自己申告)。

3) すぐ使える「見積書チェック」4項目

  1. 交換部品の状態写真(摩耗・割れ・残量)を添付してもらう
  2. 整備項目を必須/推奨で明確に区分する
  3. 法定整備/任意整備の線引きを記載する
  4. 部品代・工賃・手数料の内訳を分けて記載してもらう

ユーザーの声

  • A.K.(29)会社員:「写真で摩耗が分かり、必要なものだけ承認。結果、超過は+1万円で収まりました。」
  • Y.M.(33)エンジニア:「上限額10万円を設定し、超える場合は要連絡に。連絡フローが明確で安心でした。」
  • N.T.(36)看護師:「相見積もりでパッドのみ交換案にでき、当初より2万円ほど抑えられました。」

まとめ

  • 直近車検で見積り超過の経験は58%。平均超過額は2.9万円
  • 超過の主因は「部品交換」1.6万円が最多。ミニバン/SUVは超過リスク高め(経験率67%)。
  • モデル世帯試算:独身+2.6万円、ファミリー(2台)で+5.4万円の上振れ。
  • 対策の併用(相見積もり/写真説明/上限額設定/チェックリスト)で超過発生率は43%まで低下、平均超過額も2.2万円に。

次回車検に向けては、①相見積もり②事前点検+写真説明③上限額設定④チェックリストの4点をセットで実践し、「想定外」を可視化することが有効です。