海外FXで経済指標発表前後だけの取引が禁止されている理由を解説!
公開日:2025.01.27
更新日:2025.01.27
「経済指標発表時の大きな値動きで儲けたい…」
「なぜ海外FX会社は経済指標発表時だけの取引を禁止しているの?」
アメリカの雇用統計などの重要な経済指標が発表されると、為替レートが大きく変動することがあります。
大きな利益を得るチャンスだと思って、経済指標発表時に高いレバレッジで取引したいと考える人も多いでしょう。
でも、多くの海外FX会社では経済指標発表の前後だけを狙った取引を禁止しています。これに納得できない人もいるかもしれません。
この記事では、以下の内容について詳しく説明します。
- 海外FX会社が経済指標発表時だけの取引を禁止する理由
- 禁止されている取引をすると何が起こるのか
- 経済指標の発表を日常の取引にどう活かすか
記事の後半では、知っておくべき重要な経済指標について解説します。
経済指標と為替レートの変動の関係についてより深く理解できるので、ぜひ参考にしてください。
この記事の見出し
海外FX会社が経済指標発表時だけの取引を禁止する理由
経済指標の発表直後は為替レートが大きく変動しやすいです。
例えば、2022年8月に発表された米雇用統計で、ドル/円は133.07円から134.85円まで一気に動きました。
つまり、雇用統計の前後で1.7円(170pips)もの大きな変動があったのです。
毎月の雇用統計発表前後は利益を得るチャンスだと宣伝する国内FX会社もあります。
しかし、海外FXの場合、多くの会社が規約で経済指標だけを狙った取引を禁止しています。
では、なぜ海外FX会社は経済指標だけを狙った取引を禁止しているのでしょうか。
経済指標だけを狙った取引は海外FX会社の損失補填が増える
理由の1つ目は、ゼロカットシステムによる損失の補填が増えるからです。
ゼロカットを採用している会社では、含み損が口座残高を超えても、追加の証拠金が発生せず、ロスカットも執行されません。
そして、口座残高以上の損失分は、海外FX会社が負担しなければならないのです。
つまり、マイナス分が増えれば増えるほど海外FX会社が補填する金額が増え、経営に大きな影響を与えます。
特に経済指標発表前後は、為替レートの変動が大きくなりやすいため、高いレバレッジとゼロカットを利用した投機的な取引をする人がいます。
これらの理由から、経済指標発表前後だけの取引を禁止している海外FX会社が多いのです。
ボーナスを利用した複数口座間の両建てのリスク
海外FXでは、ボーナスを使った複数口座間の両建ても禁止されています。
ボーナスを使った複数口座間の両建てとは、同じ会社や別の会社の複数の口座で反対の取引をすることです。
例えば、ボーナスがある2つの口座で、A口座では「買い」、B口座では「売り」のポジションを取ります。
そして経済指標の発表で価格が大きく動いた場合、以下のような状況になります。
価格が上昇した | 価格が下落した | |
---|---|---|
A口座の買いポジション | 大きな利益を得られる | ロスカットで全額失う |
B口座の売りポジション | ロスカットで全額失う | 大きな利益を得られる |
片方の口座は、ロスカットにより口座内の資金を全額失う可能性が高いです。
しかし、ボーナスが入っているので、実際の損失は多くありません。
一方、もう片方の口座は、相場が動けば動くほど大きな利益が発生します。
つまり、複数口座での両建てをすると、価格が大きく動きさえすれば簡単に多くの利益を得られるのです。
ただし、このような行為をされた海外FX会社は、ロスカットされた損失を補填しなければなりません。
このような理由から、ほとんどの海外FX会社がボーナスを使った複数口座間の両建てを禁止しています。
経済指標だけを狙って取引した場合のリスク
多くの海外FX会社では、経済指標だけを狙って取引する行為を禁止しています。
経済指標だけを狙って取引した場合、トレーダーにはどのようなリスクがあるのか説明します。
- 口座の凍結や利益の没収
- 取引ができなくなる
それぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。
1. 口座の凍結や利益の没収
経済指標発表時だけを狙った取引は、多くの海外FX会社が禁止しているため、見つかると口座凍結や利益を没収される可能性があります。
当然、出金もできなくなります。
ただし、経済指標以外も積極的に取引をしている場合は、利用規約違反には該当しません。
2. 取引ができなくなる
経済指標発表時だけを狙って取引をして口座を凍結されると、解除される可能性は低くなります。
二度とその会社を使えなくなる可能性があるので、経済指標だけを狙って積極的に取引をしないようにしましょう。
海外FX会社で取引する際に経済指標を活用する3つのポイント
海外FX会社で取引する際、経済指標を参考にするのは問題ありません。
主なポイントは3つあります。
- 経済指標発表前後にポジションを保有するのはおすすめしない
- 経済指標の結果を参考に取引を行う
- 取引する通貨ペアに関連する重要な指標や要人発言に注目する
それぞれのポイントについて順番に説明します。
1. 経済指標発表前後にポジションを保有するのはNG
経済指標の発表結果は、プロでも予測を外すケースも珍しくありません。
もちろん、予測した通りの結果になれば利益を得られますが、逆に大きな損失を被るリスクがあります。
また、長期的に見ると、指標の発表直後から一気に価格が動くケースは多くありません。
慌てて経済指標発表前後に取引を始めると、だましに遭うので、損失を被る可能性が高くなります。
さらに、一部の指標や要人発言は深夜に発表されるため、全てチェックしようとすると普段の生活にも悪影響を及ぼします。
よほど予測に自信がない限り、経済指標発表前後にポジションを保有するのはやめましょう。
2. 経済指標の結果を参考に取引を行う
経済指標の結果を参考に取引を行うのは禁止されていません。発表後しばらく経ってから取引するのなら口座凍結や利益没収のリスクも低くなります。
例えば雇用統計の結果が良かったので、経済の基本的な見方から上昇しそうと予想し、買いの取引をするのは合理的です。
また金融政策発表で金融引き締めの発言があったため、下落するかもしれないと予想し、売りで取引を始めるのも良いでしょう。
このように経済指標の結果が出た後に取引を始めても決して遅くありません。
3. 取引する通貨ペアに関連する重要な指標や要人発言に注目する
基本的には、全ての経済指標を押さえるのではなく、取引する通貨ペアに関連する重要度の高い指標や要人発言に絞って注目しましょう。
例えば、ユーロ/円を中心に取引したい場合、ECB(欧州中央銀行)の金融政策発表や要人の発言・日本および米国の金融政策発表のみチェックするだけで十分です。
特にECBのラガルド総裁の発言は注目されているため、必ずチェックしましょう。
海外FXで取引する際に最低限押さえておきたい経済指標
海外FXの経済指標は平日ほぼ毎日発表されています。そのため、初心者の方はどの経済指標が重要なのか分からないかもしれません。
そこで、海外FXで取引する際に、最低限押さえておきたい経済指標を3つ紹介します。
- 雇用統計
- GDP
- 各国の金融政策決定会合
それぞれの経済指標の特徴を見ていきましょう。
1. 雇用統計
雇用統計とは、各国の雇用状況を調べた経済指標のことです。雇用は国の経済成長に直結するため、どの国でも注目度が高い指標です。
特に、毎月第一金曜日に発表されるアメリカの雇用統計は、数ある経済指標の中でも非常に注目されています。
雇用に関する様々なデータが発表されますが、特に注目度が高い項目は、失業率と非農業部門雇用者数です。
アメリカの雇用統計は、米ドル関連の全ての通貨ペアに影響を与えるため、必ずチェックしましょう。
2. GDP
GDPも重要な経済指標で、正式名称は国内総生産です。
国全体の経済の大きさを測る指標のひとつで、一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を表します。
四半期(3ヶ月)に一度公表され、非常に注目度が高い統計であり、GDPが公表される前には世界中の経済専門家がGDP成長率を予想します。
GDP成長率がその予測から大幅にずれれば、株価や金利、為替相場などが大きく変動することもあるので、結果を必ず押さえておきましょう。
3. 各国の金融政策決定会合
各国の金融政策決定会合も大きな影響を与えます。
特に日銀金融政策決定会合、FOMC、ECB政策理事会の3つは海外FXを行う人にとって重要です。
特に、FOMCは最も注目度が高い政策決定会合です。2022年に入ってアメリカは積極的な利上げを行っており、さらに注目度が高まっています。
ECBは2022年7月に11年ぶりに利上げをしました。マイナス金利を解除し、今後さらなる利上げに踏み切るかが注目されます。
この3つの金融政策決定会合は、海外FXを行う人であれば知っておきましょう。ユーロ、米ドル、円関連の通貨ペアを取引しない人も、押さえておくべき指標です。
まとめ:海外FXでは経済指標前後の投機的な取引は避けよう
経済指標発表前後を狙った取引は禁止している海外FX会社がほとんどです。
しかし、経済指標発表前後ではなく、発表の内容を参考に取引をするのは問題ありません。
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